1874年、サロンで拒絶された若手画家たちが開いたグループ展は「印象派」のスタート地点。今年は150周年で、フランスではさまざまな催しが開かれているが、五輪開催などでのんびり旅する機会を逸しているという人は、ちょっと先になるけれど来年の秋に日本でゆっくりと鑑賞するチャンスがある。東京の国立西洋美術館で2025年10月25日〜2026年2月15日まで、「オルセー美術館所蔵 印象派−室内をめぐる物語」の開催が決まった。オルセー美術館のコレクションの、約10年ぶりの大規模来日だ。
印象派といえば、戸外の風景を移ろう光とともにとらえた絵画がまず思い浮かぶが、室内を舞台とした作品も多く描かれている。とりわけドガは室内での人物表現に本領を発揮し、ルノワールも親密な雰囲気の室内画を得意としていた。画家たちがもともと私邸の壁面装飾として描いた作品も少なくない。
そこで来年の展覧会では、「印象派の殿堂」ともいわれるパリ・オルセー美術館所蔵の傑作68点を中心に、国内の重要作品も加えた約100点を通して、室内をめぐる印象派の画家たちの関心のありかや表現上の挑戦をたどる。マネ、モネ、ルノワール、セザンヌらの名品が一堂に会するこの機会、若きドガの才気みなぎる代表作「家族の肖像(ベレッリ家)」は初来日だ。
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