ザウバー/アウディの新ドライバーとなるガブリエル・ボルトレートは、契約発表に時間がかかった主な理由のひとつに、ヒンウィルでの正式なデビューのタイミングが確定しなかったためであると示唆した。チームは、ザウバーからアウディに移行する2026年にボルトレートを起用することをまず決めた後、2025年にデビューさせることについて検討してきたという。
ボルトレートは2023年からマクラーレン・アカデミー・プログラムに在籍している。しかし、オスカー・ピアストリが2026年末までマクラーレンと契約し、ランド・ノリスの契約は少なくとも2027年末まで延長されているため、ボルトレートがあと2年間はザク・ブラウンのチームに入る余地がないことは明らかであり、F1にデビューするためには、他チームのシートを探さなければならなかった。
キック・ザウバーの2024年の成績は惨憺たるものであり、来年に状況が改善する見込みはあまりない。アウディのすべてのリソースは、参戦を開始する2026年の新世代シャシーと同社初のF1エンジンに投入されるためだ。ボルトレートは来年をチームのテスト兼リザーブドライバーとして過ごし、その翌シーズンにグランプリデビューを果たすことにも前向きだった。
ブラジル出身20歳で、現在FIA F2ランキング首位につけているボルトレートは、「若手ドライバーとして、できるだけ早くF1に参戦したいといつも思っていたし、チームとともによい機会が得られると信じていた」と認めた。
「マッティア(・ビノット/チーフオペレーティングオフィサー)と初めて話をした際に、いつ加入するか、来年だけでなく将来に向けて何を計画しているかについて話し合った」
ボルトレートは、2026年以降の契約が決まったため、2025年にF1にデビューできなくても、さほど気にしなかったと話している。
「かなり楽観視していた。今の僕の人生に何か変化が起こるわけではなかったので、それほどストレスを感じていなかった。将来に起こるはずのことについてすでに分かっていたからだ」
「僕としては、同じように走り、F2での自分の仕事をし、現在僕たちがリードしているこのチャンピオンシップを獲得することを目標にしていた。でも発表が行われたおかげで、あちこちでの憶測が止まり、F2だけに集中できるのはとてもうれしいことだ」
最後の2ラウンドを前にチャンピオンシップをリードしているボルトレートは、「今シーズンのスタートはそれほど良くなかった」と認め、次のように続けた。
「当初は来年について何の話し合いもしていなかった。何をするかについて、マネージャーたちの間で、またF2参戦を繰り返すことを考えたこともあった」
「その後、今シーズンの状況が好転した。毎ラウンドのように優勝か表彰台を獲得するようになった。そうしてアウディとの交渉が始まったんだ。いつからそうなったのかは正確には覚えていないが、それから僕たちは話し合いを始めた」
「マッティアは大きな関心を示してくれたよ。僕の側としても、彼らのプロジェクトに関心があった。とても素晴らしいプロジェクトだったので、僕たちは前に進むことを決めた」
「マッティアが言ったように、来年経験豊富なドライバーを残すか、それとも若いドライバーを起用するかについて彼は確信を持てていなかったが、2025年か2026年のどちらであれ、僕は常にチームといる計画だった」
「マッティアが僕を2025年から起用するという決定は、ごく最近下されたものだと思う」