11月11日は「ポッキーの日」に代表されるように、一年でも有数の記念日が多い日だという。宝石の国際単位である「カラット」が1909年の同日から、国内で導入されたことにちなみ、86年から「宝石の日/ジュエリーの日」でもある。宝石やパワーストーンにちなんだ競走馬名は数多く存在。そこで本稿では、そんなキラッと輝く馬たちの一部を紹介したい。
まず思いつくのはクリソプレーズ。水晶と同じ石英の一種であり、緑色を帯びていることから、漢字では「緑玉髄」と書く。自身は芝中距離の条件戦で3勝を挙げるにとどまったが、繁殖牝馬として驚異的な成績を残した。
10年生まれの2番仔クリソライトはペリドットの別名で、ジャパンダートダービーなど国内外で重賞6勝。淡い紫色のパワーストーンに由来する3番仔マリアライトは、エリザベス女王杯と宝塚記念を勝利した。金緑石ともいわれる7番仔クリソベリルは、19年チャンピオンズCなどダートGI/JpnIを4勝と、クリソプレーズは計3頭のGI級勝ち馬を送り出している。一族は枝葉を広げており、ほかにもリアファルやヴァーダイト、オーソクレースやトライゴーニックなど、宝石やパワーストーンにちなんだ馬名が牝系図にズラりと並ぶ。
クリソプレーズらと同じキャロットファームで宝石といえば、シンハライトも忘れてはならない。サンスクリット語でスリランカを意味する「Sinhala(シンハラ)」+石を意味する「lite」に由来する宝石は、緑がかった褐色に輝く。現役時代は16年オークスほか、6戦5勝(うち重賞3勝)の素晴らしい成績を残した。怪我で引退してしまったが、現在は繁殖牝馬として活躍中。産駒には名前にちなんで、スリランカに関係した馬名が多い。
よく耳にする宝石も多く名前になっている。ルビーが付くのは、90年代に短距離〜マイルで活躍したダイイチルビーや、数年前に牝馬戦線を沸かせたデニムアンドルビー。サファイア/サファイヤでは、79年オークス2着のナカミサファイヤなどがいる。もっともよく知られた宝石であるダイヤ/ダイアが付く馬は数え切れない。代表的なのはGI馬サトノダイヤモンドや、砂の活躍馬シーキングザダイヤあたりか。近年ではシゲルピンクダイヤの活躍もあった。ピンクダイヤはダイヤモンドの中でも桃色に光るもので、特に希少性が高いとされる。
ほかにもジュエラーやワンカラットなど、関連したものを含めて数多く、今後もきっと耳にするであろう宝石やパワーストーンなど「石」にまつわる馬名。その中からファンを魅了し、光輝く名馬が出てきて欲しい。