横田めぐみさんが13歳で北朝鮮に拉致されてから15日で47年になるのを前に、母親の早紀江さん(88)は12日、自宅のある川崎市内で記者会見し、「どうしてこんなに長引くのか」と苦しい胸の内を語った。
めぐみさんは1977年11月15日、新潟市内の中学校からの帰り道に拉致され、帰国がかなわないまま、先月60歳の誕生日を迎えた。早紀江さんは「47年と言いたくないぐらい、長い間何も見えない」と嘆き、「(拉致されたのが)わが子だったら大変だと思うはず。自分の子どもが煙のように消えて、ほっておかれたらどう思うのか考えてほしい」と訴えた。
石破茂首相に対しては、「(被害者の)生命を救うということを第一に掲げて取り組んでいただきたい」と注文した。
早紀江さんは昨年体調を崩し、入院した。今年88歳になり疲れやすくなったといい、「助けてあげるという思いだけで頑張っているが、私は危なっかしくなってきている」と弱音も口にした。
今月行われた米大統領選で返り咲きを決めたトランプ前大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と会談し、拉致被害者家族とも面会したことがある。早紀江さんは「(拉致は)日本だけの問題ではないと分かってくれている。真剣に動いてくれると思う」と期待した。