今回ご紹介するのはゆっくりするところさんがニコニコ動画に投稿した『【2017年】『絶対そのまま捨てないで』キャンプブームで一般化したあのスプレー そのまま家庭ごみとして出した結果、清掃員11人が負傷する事態に【ゆっくり解説】』です。
すっかり秋めいてキャンプシーズンになりました。昨今のブームで山に向かう人が増えました。
この時期の山やキャンプ場の危険と言えば、気温の低さもありますがやはりクマです。冬眠前のクマは気性が荒くなっているため対策は必須です。
そのための『クマよけスプレー』によってひき起きた事件を解説します。
魔理沙:
今回紹介するのは廃棄物処理業で発生した事故だぜ。
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霊夢:
廃棄物処理業って街にあるクリーンセンターとかそういう?
魔理沙:
そうだな。廃棄物処理業にもさまざまな工程や場所があるが、クリーンセンターは地域ごとに設置されている行政が運営するゴミ処理施設だな。
この施設は家庭ゴミを処理する施設の一つで、家庭ゴミであれば直接持ち込んで引き取ってもらうこともできる。
今回の事例は、その家庭ごみの中に危険なものが含まれており、大勢の作業員が負傷したという話なんだ。
霊夢:
う……そういう場所で起きた事故って特に怖そうだけど……ちょっと気になるからおっけーおっけーしてみるわ。
魔理沙:
よしよし、それじゃ早速本題に入るんだぜ。
2017年11月、神奈川県某所にあるクリーンセンター。
ここは家庭ゴミを収集し施設内で選別作業を行い、それを別の廃棄物処理場に搬送するという業務を行っている場所だった。
このセンターでは主に缶、ビン、ペットボトルなどの資源ごみを選別しており、作業員女性の「Aさん」はこの日いつも通り朝から出勤し、建屋一階部分で選別作業を行っていた。
この日の15時頃、Aさんは選別作業を行っていたが午後からの作業を開始してしばらくすると、なぜか目に痛みを感じたためトイレに席を立った。
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霊夢:
目が? なんだろう……。
魔理沙:
しかし、その途中で他の作業員たちも彼女と同様に目の痛みを訴えたり、咳をしており、ちょっとした騒ぎになっていた。
この頃には目の痛みはどんどん強くなり、涙が止まらなく、瞼が開かないほどになっていた。
この異変は建屋三階部分にあった事務所にも広まっており、体調不良を訴える従業員が続出。
事態を重く見た総務部は、すぐに場内作業を停止させ、各作業員に聞き取りを行った。
すると、Aさんが作業を行っていた建屋一階部分にある、缶を分別する作業場で最初に体調不良者が出ており、その場所から他のフロアにまでおよんでいたことがわかった。
霊夢:
缶の分別上で?
そこでなにか毒物とかがあったのかしら……。
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魔理沙:
工場責任者もそう考えていたため、その後消防に通報を行った。
数分後、消防隊員が到着し体調不良者11名は近くの医療機関へと搬送されていった。
工場は一時閉鎖となり、場内で一斉換気が行われた後、警察にも通報が行われ、改めて調査が行われた。
当初は原因がなかなかわからなかったが、現場を調査した結果、缶の分別場内に「クマよけスプレー」の缶が混入していることがわかった。
霊夢:
く、クマよけスプレーって、催涙スプレーみたいなやつ??
魔理沙:
そう、実はあの騒動はセンターで回収したゴミの中に『クマよけスプレー』が混入しており、それが工場内一階部分に充満した結果、多数の体調不良者を出していたんだ。
霊夢:
なんでそんなことに……。
魔理沙:
このクマよけスプレーは家庭ゴミとしてその他のアルミ缶などと一緒に廃棄され、回収されて、この工場に運び込まれており、まだ使い切られておらず、中身が十分に入ったものだった。
調査を開始した結果、当初は事故によって中身が噴き出したものだと考えられていたが、その後の自治体、工場内での聴き取りを行ったところ、ある作業員の行動によって事故が引き起こされていたことがわかった。
霊夢:
ど、どういうこと?
魔理沙:
実はこの騒動が起こった日の午前中。建屋一階での選別作業を行っていた際その中からクマよけスプレーを発見した従業員がいた。
その従業員は、その重さから中身がまだ入っていることを確認した。
そして中身を出そうと噴射してしまっていた。
霊夢:
そ、それが工場に拡がったんだ……。
魔理沙:
ああ、作業員はこの時ほんの少しだけ噴射してみようと考えていたそうだが、実際に噴射されたようはかなり多く、その威力に驚いたという。
霊夢:
クマよけ用だもんね……それなりに距離があっても届くようになってるだろうし。
魔理沙:
作業員は驚いたそうだが、すぐに現場の換気を行ったため「問題ないだろう」と判断し、このことを責任者や他の従業員に伝えなかった。
その後、そのまま取引先に外出し現場を離れていたが実際にはスプレーの中身は工場内に充満しており、しばらくして同じフロアで作業をしていたAさんのいる場所にも到達していた。
そこで従業員数名が目に異変を感じ、しばらくしたあと、 三階の事務所でも次々に体調不良者が出ていた。
その後は先ほど解説した通りだ。
スプレーを噴射した当該従業員は外出先でこの騒動を知ったそうだが、自分の責任になってしまうと考え、名乗り出ることができずに時間が経ってしまっていた。
騒動から2日後、ようやく本人から事情を聞き出せたため、事故の全容が明らかになったんだ。
魔理沙:
工場内には監視カメラなども設置されていたが問題の作業員がスプレーを噴射していた場所には設置されておらず、事実が判明するまでに時間がかかっていた。
この騒動では最終的に11名が体調不良を訴え、医療機関を受診していたが、不幸中の幸いか その後数日ほどで回復し元の生活に戻ることができたという。
霊夢:
よ、よかった……。
魔理沙:
その後、この施設の運営会社は、
「会社の管理不行き届きおよび、当社従業員の軽率な行動と無責任な考えにより地域住民の方々や、取引先など関係者の方々にご不安な思い、ご心配をおかけし、多大なご迷惑をおかけしましたことを改めて深くお詫び申し上げます。
また消防や警察の関係者の方々にも多大なご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
この度の重大な事態を招いてしまった会社の責任を深く反省し 二度とこのような事態を起こさぬよう、今後は従業員へお指導・教育、ゴミ捨て場所やごみ捨て方法の見直し、監視カメラの増設など、ビル管理の徹底等により再発防止に努めてまいる所存です」
との声明を発表した。
霊夢:
クマよけのスプレーって、こんなことになるものなのね……
魔理沙:
今回の事故は従業員の不用意な行動によって引き起こされたものだったが、きっかけは資源ゴミの中に、中身の入ったクマよけスプレーが混入してしまっていたことだった。
このスプレーがどの家庭から排出されたものだったかは不明だが、本来クマよけスプレーは家庭ごみとして回収できないものだった。
霊夢:
えっ? そうなの?
魔理沙:
そもそもクマよけスプレーの主成分は唐辛子などにも含まれる辛み成分『カプサイシン』であり、一般的にその噴射距離は約7mから8mと非常に長く、かなり強力なものになっている。
霊夢:
だからちょっと噴射しただけでもあんなに大騒ぎになってたんだ……。
魔理沙:
このスプレーで負傷しても後遺症が残る可能性は極めて低いとは言われているが、通常の資源ごみに混ぜられて排出されてしまうと、処理や選別段階で容器が破損し、中身が噴出して清掃員の事故につながる可能性があるため、家庭ごみとして収集・回収できない決まりになっているので、絶対に安易に捨ててはいけないものだったんだ。
魔理沙:
一般的にこのスプレーは通常使用期限が約1年から2年ほどとなっており、おそらくそれが切れてしまったことで廃棄ルールを知らなかった市民が通常のゴミと一緒に廃棄してしまい今回の事故につながったようだった。
今回の事故は地元でも大きく報道されまた自治体は、
「キャンプブームなどによってクマよけ用の催涙スプレーなどが一般化していますが、回収できないので絶対にゴミとして捨てないでください」
「廃棄する場合は清掃事務所に連絡し、専門業者に回収を依頼してください」
「また家庭で中身を全て排出しようとする行為は危険ですので避けてください」
「中身を使い切ったスプレーであれば、その他のアルミ缶やスチール缶などと一緒に、透明、または半透明の袋に入れ、所定の曜日に排出してください」
と発表し注意喚起を行った。
霊夢:
なるほどね。
確かにここ数年でキャンプブームってすごい広まってるしクマの被害も多くなってきたからクマよけスプレーを買っておいてる人も多いだろうし、こういう事故が起こることもあるのかもね。
魔理沙:
近年の農村部などでは特に野生のクマによる被害が多く、自衛のためにクマよけスプレーを購入している人も多いだろう。
霊夢の言うように、キャンプに出掛ける人もクマよけスプレーを個人で購入し、保管している人も多いかもしれない。
しかし今回のような事故につながる可能性があるので 廃棄する際は必ず 各自治体の回収方法やルールを確認してそれに従って廃棄するようにしよう。
霊夢:
重症者は出なかったけど、こういう物って普通のスプレーと違うってことを使う側もよく考えておかないとね。
キャンプブームの裏側で起きていた、またこれからも起きるかもしれない事故を解説してきました。
確かに知識がなかったら普通のスプレー缶と同じように『クマよけスプレー』をゴミに出してしまうかもしれません。
新しいことを始めるときはしっかりと知識を得ることが重要になるかもしれませんね。
フルバージョンでの解説をご覧になりたい方はぜひニコニコ動画でご覧ください!
▼動画はこちらから視聴できます▼
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