10月30日にサービスが始まったスマートフォンアプリ「Pokemon Trading Card Game Pocket」(略称:ポケポケ、iOS/Android)が話題だ。ポケモンカードをコレクションし、対戦などができるゲームアプリで、一部の海外メディアからは収益がすでに76億円に迫るという報道も出ている。そんな大人気のポケポケだが、一部のユーザーからは“コイントス”に対してさまざまな声が上がっている。
ポケポケの対戦は、収集したカードを使って20枚のデッキを組んで行う。さまざまな能力を持つカードがあるが、中にはコイントスの結果によって効果が変動するものもある。特に話題になっているのが「カスミ」というカードだ。
ポケポケでは、1ターンに1度だけ、カードに「エネルギー」を付与できる。このエネルギーが一定の数になればカードの効果を使えるのだが、強力な効果は必要なエネルギーの数も多く、ためるまで数ターンかかる。これに対して、カスミのカードは「裏が出るまでコインを投げて、表の出た数だけエネルギーを水ポケモンに付ける」という効果を持つ。
これは、エネルギーを補給する手段が少ない現状のゲーム環境では破格の性能だ。カスミを使い、コイントスで表を出せればそれだけで勝敗が決してしまうことも少なくない。コイントスの結果はプレイヤーにはコントロールできないため“運要素が強いゲーム”ともいえてしまう。
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●「自分のコイントスだけ、表が全然出ない……」
このような状況からか11月11日ごろには「ポケポケでコイントスが絶対に表になる裏ワザ」が少々話題になった。ポケポケのコイントスは、プレイヤーがコインをフリックして行う仕様であるため、一定の位置で入力すれば必ず表になる……というものだ。とあるYouTuberが発表し話題になったが、結局1日もしないうちに「ガセでした」と発表を取り下げてしまった。
他にも、ゲーム攻略サイト「Game8」では「コインの表の出し方はある?」というタイトルの記事ページも存在。これについても、結論は「50%で抽選されるため確実に表を出す方法はない」となっている。なぜこのような情報や記事が出回るのか、その理由の一つには「自分のコイントスだけ、表が全然出ない」というプレイヤーの心理があるだろう。
記者もポケポケをプレイし、カスミを入れたデッキを使っているが「なんか自分のカスミだけ、全然表が出ない気がする……」と思うことがある。対戦相手がカスミを使えば表が出るが、自分がカスミを使うと“4〜5回連続で裏”なんてことがよくある気がする。こうなると“ポケポケのコイントスは、確率が偏っているのではないか?”と疑問を感じてしまう。
一般的な統計の教科書などでは、コインを投げた際に表と裏が出る確率はそれぞれ50%とされている。果たして、ポケポケ上でもこの通りの確率なのだろうか? というわけでカスミのカードを100回使って、その結果を記録してみた。
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なお、厳密な統計処理は行っていないため、この先については参考程度に読んでほしい。
●カスミを100回使用 表はどのくらい出る?
今回は、CPUとの対戦で検証。1人対戦モード「ステップアップバトル」の初級にある「フシギソウデッキ(最強の遺伝子)」を相手にし、カスミを100回プレイしてその結果を記録した。コイントスは最初の1回目をフリック入力で行うが、以降は自動で結果が表示される。そのため、最初の1回目で表と裏が出る回数を記録することにした。
その結果、表が52回、裏が48回であった。一般的に言われている通り、ほぼ50%の確率であり、むしろ表の方が多く出る“上振れ寄り”の結果となった。
表の結果を詳しく見ると、表が1回だけ出たのは32回、2回連続は9回、3連続は5回、4回連続は2回、5回連続は2回、6回連続は0回、7回連続は2回となった。表を1回以上連続で出せたのは最高で5回までで、100回試す間に計3度発生した(2〜6回、15〜19回、86〜90回)。一方で、最初の1回目で裏が出るのは、最高で6回連続で起きた(65〜70回)。
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今回の検証の結果、50%がどのような確率か、記者は身をもって体験できた。表が7回以上で出ることもあれば、6回連続で裏が出続ける事もある。記者がこれまで感じた偏りは、どうやら妥当であるらしい。
これを知ったからには、今後カスミを使うことでイライラすることは決してない……とは言い切れないが、少しでも上振れを引けるよう、ポケポケの神へ祈りをささげつつ、今後も楽しくポケポケをプレイしたいと思うのだった。
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