高齢&晩婚化で50歳を過ぎて子宝を授かる男性が増えている。体は衰え、稼げる時間は限られ、親の介護リスクに頭を悩ませる……。そんな高齢パパの奮闘と葛藤を追った。
◆69歳にして2女の子育てに奮闘中
【高齢パパの家族構成】
堀口マモルさん(69歳):写真家
妻(42歳):ファッションデザイナー
長女(5歳):保育園児
次女(2歳):保育園児
「保育園では『おじいちゃんですか?』と聞かれることが何度もありました」
そう笑って話すのは、69歳にして5歳と2歳の2女の子育てに奮闘中の堀口マモルさん。23歳で渡米後、パリ、ミラノ、上海などでも活躍した写真家だ。
20代で一度、米国人女性と結婚したが、すれ違いの生活が続いたため、子どもを授かることなく離婚。帰国後、52歳で27歳年下の女性と再婚して、初の子宝に恵まれたという。
「お互いに忙しくて、子どもの話はしていなかったのですが、妻が35歳頃に『子どもが欲しい』と言うようになったんです。私は60歳を過ぎていたから『できるかな……?』と思い、病院へ。検査したら、まったく問題がないと言われて逆に驚いた」
◆2女が誕生して一変した生活
64歳で長女、67歳で次女が誕生し、生活は一変した。
「毎朝5時に起きて、ゴミ出しと洗濯。その次は家族の朝ご飯を作り、朝食が済んだら娘たちを保育園に送っていくのが僕の役割。赤ちゃんのときは夜泣きで夜中に起きてあやす事もあり、そこから寝ても朝5時に必ず目が覚めてしまうようになりました(苦笑)」
体力維持のためにニューヨーク時代から40年続けている筋トレを続けているという堀口さん。週2回ジムに通い、1時間半トレーニングで70?のベンチプレスを上げているというが、「もちろん若いパパには体力的には劣る」と話す。
◆90歳まで働き続けられるように…
「先日、保育園で運動会があったんですが、本当に必死になって走りました。下の子が20歳になるまでかなりの費用がかかることを覚悟しているので、90歳まで働き続けられるよう健康には気を使ってます。娘たちが成人する頃には、完全なおじいちゃんになってしまうのは申し訳ない気持ちもありますが……」
◆子育てが仕事にもたらした好影響
実は、60代での子育ては仕事に好影響をもたらしている。
「17年前から『赤ちゃんは究極のアートだ』と考え、海外の貧困地域や東北地震被災地の赤ちゃん支援活動に携わるようになり、世界中で約4700人の赤ちゃんの笑顔を撮影してきました。子育てを経験したことで、赤ちゃんのよりいい表情を引き出せるようなった。より力強く、かわいい笑顔です。来年「赤ちゃんの笑顔が地球を救う」というテーマで、作品展を開催する予定です」
69歳パパは見た目以上にパワフルだった!
★堀口さんの育ジジPoint
朝5時起きで育児をこなして体力維持のために週2ジム通い
取材・文/週刊SPA!編集部
※11月12日発売の週刊SPA!特集「急増![高齢パパ]の現実」より ―[急増![高齢パパ]の現実]―