ミャンマー戦以来の先発へ…復帰した橋岡大樹にインドネシア戦で期待されるものとは?

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2024年11月14日 15:33  サッカーキング

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日本代表に復帰を果たした橋岡大樹(写真は今年3月のもの) [写真]=Getty Images
 FIFAワールドカップ26アジア最終予選早期突破を目指す日本代表にとって、11月のインドネシア・中国2連戦は非常に重要なアウェイシリーズだ。

 とりわけ、インドネシアは目下、雨季真っ只中。一日のどこかで何度も激しいスコールがやってくる。選手たちは水浸しのピッチでのプレーを余儀なくされるかもしれない。加えて言うと、7万8000人収容のゲロラ・ブン・カルノ・スタジアムは超満員に膨れ上がる見通し。指示の声が全く聞こえない状況下でミスのないプレーを求められるのだ。

 過酷な環境を熟知する1人が橋岡大樹である。彼は2018年10月のAFC U−19選手権に参戦し、同じスタジアムで行われた2019年のFIFA U−20ワールドカップ出場権のかかった準々決勝・インドネシア戦で最終ラインを統率。2−0の勝利へと導いた経験がある。

 その一戦も6万人の大観衆が終結。凄まじい熱気に包まれたうえ、時折、豪雨もやってきて、集中力を維持するのも大変だった。

「雨で少し視界が見づらくなってきた中でも、僕たちは集中を切らさずにやれた。大観衆に関しても、僕は普段、浦和レッズでやっているので、他の選手より慣れているという気持ちもありました」と当時の彼は涼しい顔でコメント。堂々たる風格を漂わせたのだ。

 あれから6年の月日が経過し、橋岡はシント・トロイデンを経て、ルートン・タウンへ赴き、ハイレベルの国際経験を積み重ねている。今季はイングランド・プレミアリーグからチャンピオンシップへ降格し、彼自身も7月のプレシーズンマッチで左ふくらはぎを負傷。3カ月もの戦線離脱を強いられたものの、その間もフィジカル強化に強め、強度の高いリーグへの対応力を磨いたという。

「昨季、チャンピオンシップで数多くのゴールを決めた三好(康児)選手が今季ブンデスリーガに行って初ゴールを決めましたけど、ステップアップできる環境だと思います」と本人も前向きに言う。

 そこでようやく10月から試合に出始め、5試合にフル出場。実戦感覚を取り戻したところで、今回の代表復帰の報が届いた。橋岡自身もかつて自らが躍動したジャカルタの地で再び日本を勝利へと導きたいという思いがひと際、強まっているはずだ。

 ご存じの通り、今の日本代表はDF陣の負傷者が続出している。FIFAワールドカップカタール2022前から大黒柱と位置付けられていた冨安健洋が長期離脱中で、今夏バイエルンへステップアップした伊藤洋輝、国内復帰した中山雄太も参戦できていない。11月シリーズ直前にはベテラン・谷口彰悟も大ケガを負い、3バックのセンターを担う人材がいなくなったのだ。

 中央CBに関しては、DF陣のリーダー的存在である板倉滉が務める形になるが、そうなると右CBの穴埋めが必要になってくる。候補者としては瀬古歩夢、高井幸大、右WB兼任の菅原由勢ら複数の選択肢がある中、森保一監督は橋岡を抜擢する可能性が大だ。というのも、彼は4バックから3バックへのシフトがスタートした6月シリーズのミャンマー戦でこの位置で先発しているから。それだけ指揮官の期待値が高いのである。

「9月からの最終予選を見ていて、後ろの3枚がしっかり固めて、攻撃的なWBの選手の選手がどんどん崩しているなと。そういう意味で、後ろはしっかり守って、奪ったボールをしっかりつなげるところまでやらないといけないなと感じていました。僕がどのポジションで出るかは分かりませんけど、つねに『出るんだぞ』という気持ちで準備はしている。練習からも見せていけたらいいと思います」と橋岡は12日の練習後、意気込みを新たにしていたが、闘争心と気迫は誰よりも強いと言っていい。

 今季ルートン・タウンでは右WBを主戦場にしているため、日常から3バックの感覚を磨き上げているわけではないが、守備的なポジションならどこでも臨機応変にこなせるのが彼のよさ。そこは自信を持っている様子だ。

 インドネシアは今年1〜2月のAFCアジアカップでも存在感を示していたラファエル・ストライクが1トップに陣取り、2列目のアタッカー陣が機を見て飛び出す形を得意としている。ゆえに、日本の3バックとしてはまずストライクをしっかり捕まえたうえで、スペースを空けないように努めなければいけない。こぼれ球の反応も相手よりスピーディーに行く必要があるし、小さなスキも与えてはいけないのだ。

 橋岡は細部を徹底することの重要性は所属クラブでも徹底しているはず。その経験値を遺憾なく発揮し、完封勝利に貢献することが最重要タスクと言っていい。

 冨安や伊藤、谷口が戻ってきた場合、橋岡が代表に生き残れる保証はない。だからこそ、このチャンスを確実につかみ取ることが肝要だ。11月シリーズの成否が1年半後の2026年W杯本大会に直結するくらいの覚悟を持って、彼には持てる力の全てを注いでほしいものである。

取材・文=元川悦子

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