セリエAのローマは14日、イタリア人指揮官クラウディオ・ラニエリ監督の招へいを発表した。
今季開幕から4試合で3分1敗と低調なスタートを切り、9月にダニエレ・デ・ロッシ監督の解任を決断したローマ。クラブのレジェンドの後任に選ばれたのは、過去にジェノアやトリノを率いた経歴を持つクロアチア人指揮官イヴァン・ユリッチ監督だった。しかし、監督交代から最初の公式戦3試合こそ2勝1分としたが、以降の8試合の成績は2勝2分4敗。今月10日に行われたセリエA第12節ボローニャ戦も2−3で敗れ、試合後にクラブは公式サイトでユリッチ監督の退任を発表した。
そんななか、過去に2度ローマを指揮した“修理屋”が“花の都”に帰還。今年5月に指導者からの引退を発表したラニエリ監督が現場に復帰し、ローマで3度目となる指揮官に就任することが決定した。
クラブの声明によると、ラニエリ氏は今シーズン終了後にクラブの上級管理職となり、スポーツ部門におけるオーナーのアドバイザーを務めることになるという。後任の監督探しに関しても、同氏が発言権を持つことが発表された。なお、声明の最後には「フォルツァローマ、お帰りなさい、ミステル!」と歓迎のコメントが掲載されている。
現在73歳のラニエリ監督は、1986年の現役引退後から指導者に転身。1988年にカリアリの監督に就任すると、2年連続でリーグ昇格を達成してクラブをセリエCからセリエAまで引き上げた。評価を高めたラニエリ監督は、その後ナポリ、アトレティコ・マドリード、チェルシー、ユヴェントス、ローマ、インテル、ギリシャ代表など数々のチームを指揮。2015年夏にレスターの監督に就任し、1年目には元日本代表FW岡崎慎司氏らとともに奇跡のプレミアリーグ優勝を果たした。以降も指導者としてのキャリアを歩み続けていたが、昨季終了後にカリアリとの契約を解除。クラブを再びセリエA昇格に導きながら勇退し、監督業からの引退を表明していた。