「コーチ(COACH)」などを擁する米タペストリー(Tapestry)が、カプリ・ホールディングス(以下)の買収および合併契約の解消を発表した。
タペストリーは、2023年8月に「ヴェルサーチェ(VERSACE)」や「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」を傘下に持つカプリを約85億ドル(約1兆2000億円、2023年8月11日時点)で買収すると発表。しかし、アメリカの2大ラグジュアリーファッション企業が合併することで、傘下ブランドの価格引き上げに繋がる可能性を懸念した米連邦取引委員会(FTC)は訴訟を提起。連邦地方裁判所は10月下旬にタペストリーに対して買収を差し止める判決を宣告した。判決内容に不服を示した両社は控訴の意向を示していた。
合併契約解消の理由については、法的手続きの結果が不確実であり、両社が合意に達する可能性が低いためと説明。タペストリーの最高経営責任者のジョアン・クレヴォワセラ(Joanne Crevoiserat)氏は、「当社は常に成長への複数の道筋を持っており、本日の決定は今後の戦略を明確にするものです。第1四半期の成功を基に迅速かつ大胆に行動し、有機的事業の成長を加速させます。弊社は特徴的なブランド、機敏なプラットフォーム、情熱的なチーム、そして堅調なキャッシュフローを備え、引き続き強固な立場にあります」とコメントを発表した。
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