集英社新書『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』が本日11月15日に刊行された。
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』などで知られる漫画家の荒木飛呂彦。2015年に刊行され、16の国と地域で翻訳された新書『荒木飛呂彦の漫画術』では、キャラクターやストーリーをどう作るか、絵をどのように描いていくか、アイデアの見つけ方、世界観の構築など、荒木自身が漫画家として試行錯誤しながら培ってきた「企業秘密」が作品の具体例を通じて明かされた。
『荒木飛呂彦の漫画術』の刊行から約10年。荒木は「この前著『荒木飛呂彦の漫画術』を読んで漫画家になった人もいるとするならば、『もうちょっと深い話も伝えておかなければならないのではないか』」と考え、今回の執筆に至ったという。
『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』では、悪役キャラクターの作り方にフォーカス。荒木作品に登場する名悪役たちの魅力とリアリティーはどのように生まれるのか、漫画の王道を歩み続けるために必要なことなどが語られる。
なお同書は『JOJO magazine 2022 WINTER』『JOJO magazine 2023 WINTER』に連載された『続・荒木飛呂彦の漫画術』に加筆をほどこし、新たな文章を加え、まとめたものとなる。
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【『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』の「はじめに」より一部抜粋】
『漫画術』が世に出てから10年が経ち、もしかしたら『漫画術』を読んで、本当にプロの漫画家になった人がいるかもしれない。
そう想像したとき、「待てよ……」と思いました。どんなハウツーもそうだと思いますが、「こうすれば〜できる」という知識を得ることはできても、それを実行に移せるかどうかは、また別の話です。もし『漫画術』に書いてあることを理解し、それを自分の血肉としてデビューした人がいるのであれば、本当にすごいことだと思います。しかし、そんな才能あふれる新人漫画家が、この先、何かで道に迷い、「黄金の道」を外れて違う方向に行ったまま帰ってこられなくなったとしたら、それは漫画界にとって大きな損失です。「やっぱり、もうちょっと深い話も伝えておかなければいけないのではないか」という気がしてきて、今回の『新・漫画術』を書くことになりました。