古里の平壌冷麺、日本でも=脱北者の料理店、連日行列―「本場の味届ける」・千葉

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2024年11月16日 14:01  時事通信社

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平壌冷麺の魅力を語る文蓮姫さん(左)と夫の勝又成さん=10月8日、千葉市稲毛区
 北朝鮮の平壌は冷麺発祥の地の一つとされる。その平壌冷麺の味を広めようと、脱北女性と日本人の夫が開いた千葉市の料理店が人気となっている。平壌育ちの文蓮姫さん(33)と勝又成さん(35)は本場の味を届けたいと意気込む。

 千葉市稲毛区の「ソルヌン」は、3月の開店から半年以上たつ今も連日100人ほどが訪れて行列もできる人気料理店だ。北朝鮮式参鶏湯(サムゲタン)や焼き肉も提供するが、多くの客の目当ては看板メニューの冷麺という。

 そば粉などを混ぜた麺は喉越しがよく、肉と野菜から作ったスープはだしが効いてさっぱりしている。冷麺は朝鮮戦争(1950〜53年)の際に北朝鮮から韓国に逃れた人が広めたとされ、素朴な味わいが特徴だ。常連客の会社役員小川薫さん(59)は「最初に食べた時に衝撃を受けた。すごくおいしく、毎週通っている」と話す。

 文さんは2016年、社会の閉塞(へいそく)感に絶望して脱北し、在ラオス韓国大使館を経由してソウルにたどり着いた。韓国で100軒以上の冷麺店を巡ったが「味が薄く、具も少ない」と感じ、古里の冷麺に近い味には出合えなかった。

 「それなら私が味を伝えたい」。19年、同じく脱北した母とソルヌン1号店をソウルで開店。ソウルで出会って結婚した勝又さんも加わり、母のレシピを受け継いだ店は徐々に繁盛した。今年3月には勝又さんの地元・千葉で2号店を立ち上げた。

 勝又さんは「代々伝わってきた味を途絶えさせてはいけない。身を粉にしてやっていきたい」と力を込める。文さんは日本全国への出店や米国進出が夢だと語り、「いろんなお客さんに食べてほしい」と笑顔を見せた。 

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  • 本場北朝鮮の真冷麺はコーリャン麺だと聞いている。だがこれも美味そうだし食ってみたい。
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