発熱する「iPhone 12 mini」のバッテリー、よく見ると膨張……街中の修理店で交換した結果は?

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2024年11月17日 10:21  ITmedia Mobile

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リチウムイオンバッテリーが膨張した「iPhone 12 mini」。サイドフレームを見ると、ディスプレイに浮きがあるのが分かる

 つい先日のことだが、母親の「iPhone 12 mini」のリチウムイオンバッテリーが膨張した。起動はできるし、充電もできるが、背面に熱を持つため、このまま使い続けることは危険と判断した。


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 iPhoneなどの分解レポートを長年にわたって開示している米iFixitによると、「膨張したリチウムイオンバッテリーは引火したり爆発したりする危険性」があり、デバイスからリチウムイオンバッテリーを安全に取り外せない場合は「デバイスの電源を切り、デバイスから離れ、プロの修理会社に連絡する」ことを推奨している。


●iPhone 12 miniを使い続けたい理由 悩んだ末に出した結論は「リチウムイオンバッテリーの交換」


 母がiPhone 12 miniを選んだ最大の理由はボディーの握りやすさだ。iPhone 12 miniはAppleが2020年11月13日に発売したスマートフォン。Appleは発表時に「世界で最も小さく、薄く、軽い5Gスマートフォン」とアピールしており、5.4型のSuper Retina XDR(有機EL)ディスプレイを搭載しつつ、“4.7型の液晶ディスプレイを備える「iPhone 8」などよりも小さくて軽い”ことをうたっていた。


 確かに小型のスマートフォンかつiPhone 12 miniと同じiOSがよければ、2024年現在の選択肢はiPhone 8とほぼ同じボディーサイズの「iPhone SE(第3世代)」しかない。iPhone 12 miniは終売しているからだ。iPhone 12 miniとiPhone SE(第3世代)のサイズ/重量を比べると、奥行きは0.1mm多いが、横幅は3.1mm細く、高さは6.9mm低く、重量は11g軽い。


・iPhone SE(第3世代):67.3(幅)×138.4(高さ)×7.3(奥行き)mm/144g


・iPhone 12 mini:64.2(幅)×131.5(高さ)×7.4(奥行き)mm/133g


 この小型かつ軽量のiPhone 12 miniを気に入っているからこそ、iPhone 12 miniと同じ128GBのiPhone SE(第3世代)を買う判断には至らなかった。ちなみに、Apple StoreにおけるiPhone SE(第3世代)の128GBの価格は一括6万9800円、キャリア向けは一括7〜8万円台となっている。


 このような理由から、自宅からそう遠くない都内某所の修理店へiPhone 12 miniを持ち込み、iPhone 12 miniのリチウムイオンバッテリーの交換を依頼する判断に至った。今回依頼したのは「iPhone修理工房」という修理店で、iPhoneの他に「AQUOS」「Xperia」など他のメーカーの修理も手掛ける。


●iPhone修理工房を選択した理由 バッテリー交換前に注意したいこと


 iPhone修理工房を選択した理由は大きく2つある。1つはApple Storeでのバッテリー交換費用より若干安いこと。Apple StoreではAppleCare+に加入していれば0円、未加入なら1万4500円(税込み、以下同)で交換できる。一方、iPhone修理工房は店舗によって費用が異なるが、今回依頼した店舗なら9300円の負担で済んだ。


 依頼したもう1つの理由はiPhone修理工房が総務省の登録修理業者として認定されている店舗であること。携帯電話を分解により電波の性能が電波法で規定されている技術基準(いわゆる“技適”)を満たさなくなる恐れがあるため、総務省は2015年4月に施行した「登録修理業者制度」で、技術基準に適合しているかどうかを修理業者自らが確認でき、登録基準に適合する場合には総務大臣の登録を受けられるようにした。


 仮に認定されていない業者に修理を依頼して、手元に戻ってきた端末は“電波法違反”になる可能性がある。だからこそ、ユーザーは修理サービスを提供している事業者が端末の修理・交換に関して総務省からの「お墨つき」を与えられているかどうかを事前に確認しておいた方がよいのだ。


 確認は「登録修理業者リスト検索」というWebページか、店側で登録業者である点を明示しているケースもある。登録修理業者リスト検索では修理業者名称を入力すると、その修理業者が総務省の登録修理業者として認定されているかどうかを確認できるようになっている。iPhone修理工房の場合は運営元の「ユウソリューションズ株式会社」と入力すれば検索結果が表示される。


●いざ、バッテリー交換へ 防水性能が損なわれる?


 いざ、店舗へ出向き、リチウムイオンバッテリーが膨張したiPhone 12 miniを預けてみた。まずは店舗スタッフが症状を把握するため、iPhone 12 miniの状態を目視確認。ディスプレイと保護ガラスが明らかに盛り上がったような形状で、平らではないことから、店舗でもリチウムイオンバッテリーの膨張という判断に至った。


 希望内容として、リチウムイオンバッテリーの交換を伝えたところ、留意点として次の2点について説明があった。


・リチウムイオンバッテリーの膨張によりディスプレイに圧力がかかっており、ディスプレイを取り外してリチウムイオンバッテリーを交換する際にその圧力から解放された反動で、ディスプレイが壊れる(破損などにつながる)リスクがある


・動作確認時に他にも故障しているパーツが見つかる可能性がある


 上記に留意し、リチウムイオンバッテリーの交換に同意するには、店舗から手渡された紙の書類に名前、住所などを記入し、サインをする。iPhone 12 miniのディスプレイを取り外した際にボディーの内側に貼り付けられた「防水テープ」が剥がれてしまう。そのため、防水性能が損なわれてしまう恐れがあるのだが、追加料金として1650円を支払えばテープを貼り直してもらえる。この点も事前に案内されたので、同意の上で依頼することにした。


 iPhone 12 miniを店舗に預けた後、事前に案内があった通り1時間程度でリチウムイオンバッテリーの交換は終了。終了予定時刻を少し過ぎてから店舗へ戻ると、膨張により浮いていたiPhone 12 miniのディスプレイは元通りフラットになり、起動も充電もできた。登録修理業者かどうかの確認など、事前に確認すべき点はいくつかあったが、同じようなケースで困っている人の一助になれば幸いだ。



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