写真 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「びっくり体験」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2019年11月17日 記事は取材時の状況)
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ウエディング専門コンサルタントの長谷川真美です。式場見学には、新郎新婦が揃っていないといけない決まりはありません。新婦がひとりでなんて場合も少なくありません。
ただ、反対に新郎ひとりの見学は、新婦のそれに比べると比較的少ないでしょう。今回は、ひとりで見学に来た新郎のちょっとホラー(?)なエピソードです。
◆新婦の誕生日、趣味も知らない新郎
電話で見学予約を入れたその新郎は、「僕ひとりでの見学なんですが、いいですか?」と最初から言われていました。確かに、ノンペア(どちらか片方だけ)の見学は、ふたりの意向をその場で確認できずに契約に繋がりにくいと考えられるため、式場側からすると100%ウェルカム! ではありません。とはいえ、少子化が進み、結婚人口も減っていることを考えると、ひと組でも多くのお客様に見学に来てもらうことは、とても貴重です。そのため、「もちろん大丈夫です」と伝えて、見学当日を迎えることになりました。
プランナーは、新郎新婦のどちらかのみの見学の場合でも、お相手のことはしっかり聞きます。ふたりの間でどのような意向があるのか、その式場は新郎新婦にとってベストなのかを提案しなければいけないためです。ただ、最初から言葉尻が気になりました。「彼女の誕生日?えーと……」、「彼女の趣味ですか……?」、「僕たちの記念日ですか?えー……」という様子で明らかにおかしい。同業他社の潜入かと疑うほどでした。そして、結婚式についても、「ふたりで結婚式について話せてないのかな」という印象でした。
その様子から、新婦に意向の確認もあるでしょうし、その場で成約には至らないだろうと予想していました。ですが、予想に反して新郎からは「この日で。この日で予約します。お願いします」と、1年半後のある日程を予約して、その場で申込金まで支払って帰りました。ただ申込書は、新婦が不在のため、新郎の情報のみ記入されていました。
◆いつまで経っても打ち合わせに姿を見せない新婦
本格的に式場での打合せがスタートするのは、約4ヶ月前からです。式場からこの新郎に連絡を入れて、打合せのスケジュールを調整するところから始まります。
そして、この電話の際に、「新婦様の情報をまだ記入いただいていませんので、お打合せの際にご記入ください」と伝えると、「その日、彼女は行けないんです」と言います。契約にはふたりの名前が揃っていなければいけませんが、申込金は払っていただいているため所定のキャンセル料はかかってしまいます。その旨を伝えても、「その次は行けると思うので……」ということで話を終えました。
初回の打合せを終え、2回目の打合せでも、新婦は来ませんでした。その時点で「?」となっていましたが、新郎は、「次回は必ず来ますので!」と予約当初よりも明らかにおかしな様子で言います。招待状の手配はしましたが、ふたりの衣装も決まっていないし、なにぶん、ふたりが揃わないので何も進めることができません。そして、式当日から1ヶ月前になって新郎から衝撃的なことを言われます。
◆一目ぼれした女性と1年半の間に結婚まであげる予定だった
「彼女は……、新婦は……、いません……」
式場に予約する前のある日、通勤電車で見かけたある女性に一目惚れをして、「自分はこの人と必ず結婚する!」と思い、式場の予約をした、とのこと。「1年半あれば、きっと彼女と付き合えるし、結婚だって……」と本当に思っていたそうです。その1年半の間にお付き合いすることはおろか、声をかけることすらできず、時間だけが過ぎて挙式当日の1ヶ月前になってしまったのでした。
当然ですが、所定のキャンセル料はかかります。1ヶ月前だとかなり高額です。見学時にディスプレイされているウェディングドレスを見て、「彼女がこれを着たらきれいだろうな……」とつぶやいた姿は、確かに少し不思議な様子でしたが、こんな高い勉強代を払う日がくるとは夢にも思っていなかったでしょう。彼は、高額なキャンセル料の請求書を見て、何を思ったのでしょうか。そこまでは私たちも知る由はありませんでした。
<文/長谷川真美>
【長谷川真美】
株式会社OMエンタープライズ代表。ウェディングプランナー、式場専門コンサルタントを経て経営コンサルタントに。プランナー育成塾「おまみ塾」、オンラインサロン「ライフキャリア研究所-It’s up to you」主宰。起業女子に向けたブログを運営。Instagram:@om_enterprise.0222、Twitter:@omenterprise