農林水産省は19日、2024年産米の全国の作況指数(平年=100)について、10月25日時点で「平年並み」の101だったと発表した。前月調査から1ポイントの低下。9月以降の猛暑や台風が響き、特に九州の産地を中心に前月から作況が悪化した。
作況指数は10アール当たりの平年収穫量に対する予想収穫量の比率。都道府県別では熊本が「やや良」の102、宮崎と鹿児島は「やや不良」の97にそれぞれ下がった。一方、地域別で見ると、米どころの北海道や東北、北陸の指数は前月と変わらなかった。
主食用米の予想収穫量は679万2000トンで、前月調査から4万1000トン下方修正された。ただ、おおむね天候に恵まれたため、23年産比で18万2000トン増え、6年ぶりに前年を上回る見込みだ。
同時発表された10月の相対取引価格(全銘柄平均、玄米60キログラム当たり)は2万3820円。前月から1120円上がり、2カ月連続で過去最高となった。相対取引価格はコメを集荷する全国農業協同組合連合会(JA全農)などと、卸売業者との間の取引価格。店頭でコメが品薄になった今夏以降、業者間でコメを確保しようとする競争が続き、価格上昇につながった。