アメリカがウクライナに対し、射程の長いミサイルのロシア領内への使用を許可したと報じられました。実際に使われた場合、ロシアのプーチン大統領はどうでるのか、専門家の分析を聞きました。
これまで供与した射程の長い兵器をロシア領内への攻撃に使うことを認めていなかったアメリカ。しかし、バイデン大統領がウクライナに対し、射程の長いミサイル「ATACMS」のロシア領内への使用を認めたと報じられました。
当面は、ウクライナが越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州での戦闘に限定されるということですが、この報道に対し、ロシアは…
ロシア ペスコフ大統領報道官
「実際に決定されたのなら、ウクライナ紛争をめぐるアメリカの関与の度合いと緊張が新たな段階に入ったことを意味する」
プーチン大統領は9月、長距離ミサイルでの攻撃が容認されれば「適切な決断を下す」と強くけん制していました。こうしたことから、専門家は実際にウクライナが攻撃した場合、「報復はあるだろう」としながらも、こう分析します。
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軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏
「ロシアはやれることは、ほとんどやってきてしまっている。いきなり核使用ということには、まだいかないと思いますので、備蓄されているミサイルやドローンでの攻撃を強化していくという流れになるのでは」
また、ATACMSでの攻撃で「戦局は大きく変わらない」とする一方、これまでの戦車や戦闘機のように供与や使用が“普通”になってしまうことを、ロシアは警戒していると指摘しました。
軍事ジャーナリスト 黒井文太郎氏
「なし崩しの供与のレベルがどんどん上がっていく。それをロシア側としては非常に警戒している」