大阪府内限定で販売される「とん蝶」が、うますぎてズルい!とSNS上で話題になっている。
笹のようなパッケージに包まれた「とん蝶」。大阪府外では滅多に見ることができず、ちまきのような見た目からも中身は一体何なのか知らない人も多いのでは。三重県出身、大阪在住25年の記者が初めて食べてみた。
昔話に出てきそうな笹を模したパッケージが郷愁をそそる。特徴的な見た目だが、中身は果たしてどうなっているのか。開封すると、おにぎりのような三角形のおこわが登場!お菓子じゃなかったの?!国産もち米を蒸したものに、国産大豆、塩昆布、ゴマなどが混ぜ合わされており、真ん中には小粒でカリカリした小梅が。モチモチして滋味深く、どんどん食べ進めてしまう美味さで、確かに大阪府内限定はズルい!大阪在住でよかった!パッケージを折り返し手に持って齧ることもできるので弁当より気軽に食べられそうだ。
しかし一体なぜ和菓子屋がおこわを販売するのか?製造元である株式会社御菓子司 絹笠の中原弘尚さんに話を聞いた。
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ーー和菓子店である絹笠が、なぜ弁当のような「とん蝶」を作っているんでしょうか?
中原:創業者の岡本大三が、他の和菓子屋との区別化の為、甘くないお菓子を作りたいと考えおりました。和菓子屋にある材料で出来る甘くないお菓子という事で出来たのが「とん蝶」。岡本大三は大阪市旭区出身で田舎が無かったのですが、田舎のイメージはとんぼと蝶々が飛んでいる風景という事で、この名前をつけたそうです。パッケージも昔懐かしいイメージで竹の皮の柄を使用したそうです。
ーー大阪府内限定なんですか?
中原:月に何回かは大阪近辺の販売店でも販売しますが、基本的には大阪府内だけ。平日で約2000個、土日祝で約3000個売り上げています。
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ーーお弁当より小さく、おにぎりより大きい絶妙なサイズ感ですが、どんな場面で食べられることが多いんでしょうか?
中原:お寺さんが法要の際に檀家さんへお配りするのに使って頂いています。また楽屋御見舞などの手土産で使って頂いたり、駅売店での軽い駅弁的な形で食べて頂いております。
ーー大阪人のとん蝶への愛を実感したエピソードは?
中原:とん蝶ができて50年以上経ちます、昔、祖父母や両親に買ってもらって食べていて、今は子供や孫に買って食べています。というお声をよくお客様から頂きます。
やすよともこさん、小藪千豊さん、なすなかにしさん、ダイアン津田さんなど関西出身の芸人さんにも気に入っていただき、テレビやラジオなどで「とん蝶」の名前を出していただき感謝しています。
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SNSでは「子供の頃から三角おにぎりと呼んで食べてる」「黒豆入りバージョンが好き」「出張のたびに買ってる」「遅い時間には売り切れてるし、大阪に住んでても気軽には買えないから府外にバレると困る!」などの声が寄せられた。大阪府民でもレアな逸品、これからもこっそり楽しみたい。
(まいどなニュース特約・ゆきほ)