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フィリピンを拠点にした特殊詐欺事件に関与したとして、警視庁捜査2課は19日、現地で元暴力団組員らが組織した「JPドラゴン」の幹部、小山智広容疑者(50)ら男性3人を窃盗容疑で逮捕した。
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パーカのフードを目深にかぶったマスク姿の小山智広容疑者(50)は19日午後、捜査員らと共に成田空港に到着した。小山容疑者は「JPドラゴン」のナンバー3とみられる。
「JPドラゴン」は日本の暴力団関係者が現地で結成した犯罪組織とされる。
現地に詳しい関係者によると、名称の由来は、日本とフィリピンの英語の頭文字と、トップとされる男性のファーストネームの組み合わせとみられる。鶏を闘わせる「闘鶏賭博」に関わってきたとされる。
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活動が表面化したのは、新型コロナウイルスが流行していた数年ほど前から。日本では、フィリピンを拠点にし「ルフィ」を名乗る指示役らによる広域強盗事件の捜査を機に、存在が知られるようになった。
ルフィグループとの共通点として浮かぶのが、詐欺の電話をかける「かけ場」をフィリピンに持ち、特殊詐欺を活動の資金源としていたとされる点だ。
JPドラゴンは、現金やキャッシュカードを受け取る「受け子」らを「闇バイト」で募集して使い、被害金をフィリピンに運ぶ運搬役もいたとされる。
捜査関係者によると、大阪府警が組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)の疑いで逮捕したJPドラゴンのメンバーの男性(56)は現金の運搬役として、2019年11月〜22年7月に20回弱にわたり日本からフィリピンに出国。現金約2億8900万円を国内から持ち出していたとされる。
現地のJPドラゴンの幹部に被害金の一部が渡っていたとみられ、警察当局はトップやナンバー2の男性についても特殊詐欺に関与した疑いで捜査している。
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ルフィグループはタイからフィリピンに移ってきたとされる。現地での取材経験が豊富なノンフィクションライターの水谷竹秀氏は「ルフィグループは特殊詐欺のノウハウはあったが、現地の事情に不案内だった。そこで、JPドラゴンが指南役を務めて上納金を受け取っていたのでは」と推測する。
一方、事件で逮捕された容疑者の一部は「ルフィグループの使っていた特殊詐欺の拠点が、JPドラゴンに襲撃され乗っ取られた」と供述しているという。
ある警察幹部は「ルフィとJPドラゴンの双方にいた小山容疑者の逮捕を機に犯罪グループの解明が進めば」と期待する。【遠藤龍、加藤昌平、佐藤緑平、合田月美】
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