4月の衆院東京15区補欠選挙で他陣営の演説や交通を妨害したとして、公選法違反(選挙の自由妨害)罪に問われた政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦被告(46)ら3人の初公判が20日、東京地裁(板津正道裁判長)であり、3人はいずれも無罪を主張した。
黒川被告は罪状認否で、「われわれの行為は正当な政治行動で妨害ではない。表現の自由と政治活動の自由に基づき無罪です」と声を張り上げた。
他の2人は党幹事長で補選に立候補した根本良輔(30)、党運動員の杉田勇人(39)両被告。
検察側は冒頭陳述で、黒川被告らは他陣営を妨害する方針を立て、拡声機を使って大音量で問い詰めたり選挙カーを追跡したりして選挙活動を断念させたと指摘。妨害の様子をユーチューブで配信し、「収益を得ることも期待した」と述べた。
弁護側は「外形的事実は争わない」とした上で、公選法違反には当たらないなどと主張。選挙における政治的な表現活動を侵害しないよう求めた。
公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で逮捕され、警視庁に入る政治団体「つばさの党」の杉田勇人被告(左)=5月17日、東京都千代田区
公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で逮捕され、警視庁に入る政治団体「つばさの党」幹事長の根本良輔被告(中央)=5月17日、東京都千代田区