みなさんは、他のことをしながら歯を磨く、いわゆる「ながら磨き」をした経験はありますか。花王株式会社(東京都中央区)が実施した「全国歯磨き本音調査」によると、週1回以上「ながら磨き」をしている人は約7割にのぼることがわかりました。では、「ながら磨き」する理由にはどのようなことがあるのでしょうか。
調査は、全国の20〜69歳の男女1万人および歯科医・歯科衛生士各100人を対象として、2024年8月にインターネットで実施されました。
はじめに、「歯磨きに対する意識」について調べたところ、全体の93%が「肌や髪と同じくらい、お口や歯を健やかに保つことは重要だと思う」と回答。
その一方で、「丁寧に歯磨きをしたいが、毎日実践するのは難しい」と答えた人は74%、「歯磨きはできるなら短時間ですませたい」と答えた人は76%となり、理想と現実のギャップが浮き彫りになりました。
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また、「毎日の歯磨きで、歯医者で指導されたことを常に実践できている」(45%)と答えた人は半分に満たず、正しいオーラルケアを毎日実践することは難しい、という生活者の本音がうかがえます。
他方、歯科医・歯科衛生士の約8割が「歯磨きをちゃんとできている人はあまりいない」(歯科医78%、歯科衛生士82%)と回答、さらに約9割が「教えた歯磨きのやり方をきちんと実践できている人は少ない」(同87%、同86%)と回答。
また、歯科医の約8割、歯科衛生士の約9割が「毎日正しい歯磨きを実践するのは、結構大変なことだと思う」(同78%、同86%)とも回答しており、プロの目線からも「日々の正しい歯磨き実践」の難しさが認められる結果となりました。
続いて、「ながら磨きの経験」について聞いたところ、生活者の約2人に1人が「ほぼ毎日している」(48%)と回答し、「週に数回している」(21%)を合わせると、約7割が「週1回以上」ながら磨きをしていることがわかりました。これを年代別に見ると、特に20代では85%と高い割合になっています。
ちなみに、「週1回以上ながら磨きをしている人が多い都道府県」を調べたところ、1位「山形県」(75.3%)、2位「佐賀県」(75.2%)、3位「鳥取県」(74.9%)という結果になりました。一方、「ながら磨きをしている人が最も少ない都道府県」は「和歌山県」(57.9%)でした。
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また、「ながら磨きをする理由」については、「歯磨きの間は手持ち無沙汰」(35%)、「歯磨きだけを行うのは時間がもったいない」(34%)、「複数のことを同時にすることで時間を有効活用したい」(32%)といった意見が上位に並びました。
さらに、「ながら磨き中の行動」としては、「テレビの視聴」(35%)と「スマホの視聴」(33%)で7割近くを占め、20代は「スマホの視聴」が53%、 60代では「テレビの視聴」が45%と世代ごとの特徴が色濃く出る結果となりました。
最後に、「普段の歯磨き」について、自己採点してもらったところ、全国平均は「61.6点」となり、90点以上をつけた人は全体のわずか約6%にとどまりました。
ちなみに、歯磨き自己採点が最も高かった都道府県は、「熊本県」で65.4点、最も低かった都道府県は「大分県」で57.5点でした。
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