松本人志の復帰報道で感じる曖昧な芸能界ルール、そして“お咎めなし”と“復帰不可”の線引き

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2024年11月21日 15:01  日刊サイゾー

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松本人志

 11月11日に放送された『クレイジージャーニー』(TBS系)の番組冒頭に、同番組のMCを務めていたダウンタウンの松本人志が過去映像のVTRで登場、物議を醸している。

 言うまでもなく松本といえば、昨年12月、「週刊文春」(文藝春秋)に性加害疑惑を報じられたことを受け、今年1月に名誉毀損で5億5000万円の損害賠償などを求めて提訴。

 だが、今月8日に訴えを取り下げたことが発表された。

 所属の吉本興業が松本の早期の活動再開を匂わせていることもあり、各メディアでは吉本が運営する劇場や関西ローカル番組での復帰も取り沙汰されている。

 とはいえ、主張していた「事実無根」を認めさせるどころか“敵前逃亡”のようにも映る松本の態度には納得のいかない人たちも多く、今回のTBSの“何もなかった”かのような扱いには否定的な反応も多く見受けられた。

 そんな中、世間から疑問の声のひとつとして投げかけられているのが、芸能界における「許される、許されない」の境界線の曖昧さだろう。

「昨今、芸能界で最も多い不祥事は不倫です。もはや毎月のように誰かしらの不倫報道が飛び交っている状況ですが、“不倫=犯罪”の風潮を生み出したと言われているのが、2016年のベッキーの騒動でしょう。『ゲスの極み乙女。』の川谷絵音さんとの不倫報道により、11本のレギュラー番組と10社とのCM契約を失い、莫大な違約金が発生。キー局への完全復帰には実に7年ほどの歳月がかかりました。また、2020年に共演女優との不倫が発覚した東出昌大は現在も以前と同じポジションには戻れていませんし、同年に『多目的トイレ不倫』で世間を騒がせた『アンジャッシュ』の渡部建も完全復帰には程遠い状況です」(週刊誌記者)

 もっとも、不倫スキャンダルに関しては写真週刊誌や女性誌で過去に2度も不倫を報じられながらも複数の冠番組を持つなど、この世の春を謳歌している千鳥の大悟などほとんどノーダメージという芸能人もいるわけだが、芸能ジャーナリストの平田昇二氏はこう語る。

「芸能人が不倫報道で受けるダメージに関しては、そのタレントイメージも重要なバロメーターになってきます。不倫が報じられた際、好感度タレントとして活躍していたベッキーさんや渡部さんなんかは、そのタレントイメージとのギャップもあり、『そんな人だとは思わなかった』や『世間を欺いた』など余計に叩かれることになる。他方、志村けんさんに可愛がられるなど昭和の無頼派芸人のにおいを感じさせる大悟さんのようなタイプはタレントイメージとのギャップもそれ程なく、好感度タレントなんかと比べると大目に見られる傾向はありますよね」

 また、先日に『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)に約4年ぶりに単発復帰した手越祐也にいたっては、ジャニーズ事務所退所の引き金となった理由は緊急事態宣言下での外出だった。

「当時は高級クラブに通って謝罪に追い込まれた政治家もいましたが、法を犯したわけではないのですから、彼が今もなぜここまで干されているのか意味不明に感じる人は少なくない。性加害疑惑と比べたら明らかに不祥事レベルは軽いですからね。逆に、性加害疑惑では、2022年に高級クラブのホステス女性への性加害疑惑が報じられた香川照之は、鬼の形相でホステスの髪の毛を掴んだ写真が掲載されていた物証のダメージが大きく、待望論はあれど地上波復帰は見送られたままです」(同週刊誌記者)

 一般人には分かりづらい芸能界のルール、その基本原則について民放プロデューサーはこう説明する。

「まずは不祥事の内容。被害を受けて傷ついた人がいるのかどうか。次は不祥事後の対応。記者会見を開いて、自身の行動を自分の口で説明したのとしていないのでは大違いです。さらには所属事務所への忖度やタレントの格も関係してくる。独立したのなら前事務所とは円満退社だったのか、そして出演させれば大きな話題を呼ぶ大物タレントであるかも判断材料となる。松本のケースではアウトの項目が多いですが、『大手事務所』や『大物』ということで、テレビ局サイドとしては干しにくい面はあるでしょう。とはいっても、民放の場合は最終的にはスポンサー次第になりますけど」

 松本の復帰に関しては一般社会の感覚とのズレがあったとしても「芸能界の力学」よって決まることになりそうだ。

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