待望のソロアーティストデビューアルバム!前島亜美『Determination』リリース記念インタビュー

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2024年11月21日 19:21  アニメ!アニメ!

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待望のソロアーティストデビューアルバム!前島亜美『Determination』リリース記念インタビュー
アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2024年12月号には、ソロアーティストデビューアルバム『Determination』をリリースした前島亜美が登場。

全10曲に込めた「自分らしさ」と「決意」
――まず、アーティストデビューが決まったときの感想を教えてください。

 以前からキングレコードのスタッフさんに歌を聞いていただく機会があり、心の準備はできているなか、いよいよという形でデビューが決まりました。サプライズで決定を教えてもらったので涙が出るほど感動しましたが、実感がなかなかわかなかったんです。でも、アーティスト活動にあこがれがあったので、現実になったことがうれしく、迎え入れてくださったキングレコードさんに感謝の気持ちでいっぱいです。

――ちなみに、普段はどんな音楽を聞きますか?

 私はメロディよりも歌詞に引かれることが多いので、邦楽を聞くことがほとんどです。スピッツさんやフジファブリックさん、最近は藤井風さんもよく聞きます。それから、アニソンや声優さんの曲、ボカロにも馴染みがあって、いまでも注目の楽曲はチェックしています。

――制作にあたり、自分ではどんな曲を歌ってみたいと考えていましたか?

 最初はすごく悩みました。いきなりフルアルバムで、影も形もないところから10曲の新曲を作るとなり、打ち合わせをしたときに浮かんだのが「自分らしさ」でした。お仕事を10数年やってきて、いま一度自分とは何かを見つめ直すことはもちろん、アーティストデビューで私を知った皆さんへ、自分がどういう人間なのか、どういう音楽をやっていきたいのかを名刺のように示せるアルバムにしたかったんです。それもあって統一感を求めるのではなく、曲の個性がぶつかり合うようなアルバムになっていきました。また、ここ7、8年はキャラクターソングしか歌っていなかったので、可能性が広がるようにいろいろなジャンルの曲を歌いたかったんです。ただ、アーティストデビューをサプライズで聞いてから、すぐに制作に入っていったので、当初は戸惑いも大きかったですね。ひとつひとつ作業を重ねていくなかで、制作をだんだんと楽しめるようになっていきました。

――収録される10曲のなかには、ご自身で選んだ曲もありますか?

 7曲はコンペでスタッフさんたちと一緒に選ばせていただきました。じつは、コンペに携わることも初めてだったんです。自分もオーディションを数え切れないくらい受けてきて、それにかける思いや掛かる手間を知っているので、いただいた曲は全部聞いて思いを受け取ろうと思ったんです。でも、どの曲も素晴らしくて頭を抱えてしまって(笑)。とくに、最初はアルバムの全体像も見えない状態だったので、直感で選んだところもありました。曲が増えてくると全体が見えて、バランスで選んだりもできるようになり、それがすべて新鮮で楽しかったです。

――アルバムタイトルの『Determination』は「決意」という意味ですが、どんな思いを込めてこのタイトルにしましたか?

 アルバムの方向性を話し合うなかで、タイトルが決まれば指標になるのではと考え、今回のアーティストデビューを言語化するなら、「決意」だと思ったんです。でも、日本語だとちょっと重いかなと思い、英語にしました。

――ここからは収録曲について教えてください。まずは、ご自身で作詞も手がけたリード曲の「Determination」から。

 この曲は、デビューアルバムのリード曲にふさわしい、希望と清涼感がありつつ、力強さもある楽曲です。作詞については、もともとあこがれはあったのですが、アーティストデビュー後、力がついてから渾身のバラードで作詞をできたら……と思っていたんです。でも今回、作詞への思いをディレクターさんが知って「歌詞を書いてみませんか」「思いの丈を綴ってみてください」とお話をいただき、思い切って挑戦をしました。せっかくならアルバムタイトルと同じタイトルにしたいと思い、制作が走り出すときの、渦中に飛び込むような気持ち、これからやっていくぞという思いを込めて書いていきました。

――作詞はスムーズに進みましたか?

 めちゃくちゃ大変でした(笑)。メロディに言葉を当てていくのですが、どうしても音程と単語が合わなかったり、説明文みたいになってしまったりしたんです。やっぱり作家の方はすごいなと改めて感じられました。

――最初のレコーディングが「Determination」だったそうですね。

 そうなんです。アーティストデビューは、私にとってすごく勇気を出して決めたことでした。この先、作品を作るにしてもライブをするにしても、つねに勇気が必要なのがアーティスト活動だと思うので、リード曲の「Determination」は、私の背中を押してくれる曲になるだろうと思っていました。だからこそ、歌うときは緊張もありました。素の自分で歌ったのが、グループ活動をしていた頃でしたし、当時は個性を強調するような歌い方が求められていて。自由に歌っていいというのは、ほぼ初めてかもしれないくらいだったうえに、レコーディングスタジオがオーケストラが入るくらいの大きいスタジオだったこともあって、最初は落ち着かなくて。作曲をしてくださったElements Gardenの藤永龍太郎さんがディレクションもしてくださったのですが、レコーディング中でもメロディを直してくださったり、ラスサビのブレイク部分も半拍長くしてくださったり、細かな調整をしてくださってすごくありがたかったです。

――「Determination」のミュージックビデオ(MV)は、とても爽快感のある映像になっていますね。

 人生で一番日焼けをしました(笑)。MV撮影も久しぶりで、しかもひとりですから「私が体調を崩したらダメなんだ」とすごく緊張したんですね。しかも、撮影予定日も予備日も雨予報が出ていて。それが、当日になったら近年稀に見る日差しの強さだったので、いましかない煌めきが撮れたんじゃないかなと思います。

――2曲目の「初雪とKISS」はとても初々しいラブソングですね。

 この曲は、ディレクターさんのイチオシでした。「こういう曲を歌えるのが前島さんの強みなんじゃないかと思います」と言ってくださって。歌のレッスンをしてくださる先生にも声質に合っていると言っていただけましたし、制作周りの皆さんにもすごく人気が高いんです。実際に歌ってみて、自分でも声質に合うなと思いましたし、AメロやBメロは「情景を意識しながらお芝居をするように歌ってほしい」とディレクションをいただいたので、イメージがしやすかったです。10曲のなかで唯一冬要素があるので、この曲で冬を感じていただきたいです。

――3曲目の「SCARLET LOVE」は一転して大人っぽさが感じられます。

 この曲もコンペですごく刺さった曲です。デビューアルバムで、大人の色気を感じるような曲は難しいのかなと思っていたのですが、ディレクターさんにこの曲が好きだと伝えていたら歌えることになりました。「SCARLET LOVE」はレコーディングの折り返しくらいで歌ったので、だんだんとレコーディングに慣れてきて、完成度が上がったと言っていただけたことも思い出深いです。自分のフラットな歌声に一番近い曲かなと思います。

――4曲目の「Unfallen Angel」はとてもパワーを感じられる曲ですね。

 アルバムのすべての楽曲で「決意」を感じられるようにしようとディレクターさんが言ってくださったんです。そのなかでもこの曲は「決意」が前面に出た、一番高火力で爆発的な曲だなと思っています。歌詞がついたことで、曲の奥行きや深みがさらに増したので、ライブでも皆さんが高輝度のペンライトなどで応援してもらえたらうれしいですね。私はもともとパッションな人間だと思っているので、強さや打ち砕こうとする意思が出ている曲はとても歌いやすかったです。

――5曲目の「ポルターガイスト」はガラッと雰囲気の変わった、いい意味でガチャッとした曲ですね。

 インパクト勝負の、目立ってなんぼみたいなところが、令和的だなと思っています。ボカロっぽさもありつつ、枠をはみ出す遊び心も満載なんですね。私は、どうしてもまじめというか、王道ど真ん中、アクセルべた踏みみたいな曲を歌いたがる傾向があるのですが、この曲は別人格をイメージしながら歌えたのも楽しかったです。急に曲調が替わったりもするので、ライブでどうやって歌うかも考えています。

――6曲目の「MAKE IT NOW」は軽快なメロディが印象的ですね。

 この曲は、以前からディレクターさんがキープしていた曲なんだそうです。アルバムタイトルを決める打ち合わせのときに、「こういう曲はどうですか?」と流してくださって。「初雪とKISS」とはまた違ったかわいさがあり、心に残ってずっと覚えていたんですね。制作が進むなか、あの曲はどうなったんだろうと思って「あの曲も歌いたいです」と伝えたらOKになりました。作家さんから「これを歌ってくれる方を待っていました」と言っていただいたことが心に残っています。歌詞は、私から「好きになってほしい」「振り向いてほしい」「変わりたい」というテーマをお渡しして、決意を混ぜつつ書いていただきました。歌っていて気持ちよく、ライブ映えするダンスナンバーになったので踊るのも楽しみです。

――7曲目の「職業:あみた」は、とにかくキャッチーさが光る曲ですね。

 作詞・作曲してくださった前山田健一さんは、アイドルグループのときに交流がありまして、いつかまたという思いがずっとあったんです。今回「制作でお願いしたい人はいますか」と聞かれて真っ先にお名前をお伝えして、お引き受けいただいて。その後、打ち合わせで職業が定まらないといったお話をしたんですね。私はアイドルからお仕事をスタートさせましたが、アイドルは女優やモデル、バラエティもできなくてはいけないし、そこから飛び出して舞台や声優にもご縁をいただけて……結果、私って何屋さんなんだろうと。これ1本と言えないことに引け目を感じるときもあったのですが、そこから前山田さんが「職業:あみた」という答えを出してくださいました。「まだわからない自分も好き」といったような歌詞をエールのように感じています。

――「あみた」という掛け声もすごく印象に残りますよね。

 最初に聞いたときは、どうしようかと思いました(笑)。あみたというニックネームは子供の頃からのものなのですが、年を重ねて若干恥ずかしさも芽生えてきていたんですね。でも、ここまで振り切ってもらえると、逆に愛せるなと思えるようになりました。前山田さんは、私の性格をわかってくださっているので、「獣道」などグッとくる歌詞も入れてくださっています。また、歌詞のなかに「誇り」という、私の好きな言葉も入れてくださっているんです。ずっと、応援していることを誇りに思えるような存在になりたいと言い続けているのですが、それを盛り込んでくださったのがうれしくて。また、最後に「職業:あみた」になるのですが、その歌詞を見て私はプロあみたを目指していくべきだと決意できました。ライブで合いの手を入れていただけるパートもたくさんあるので、お客さんも光り輝ける曲になっていると思います。「うるさい!」と思いっきり叫ぶこともできるので、ライブに叫びに来てくださってもうれしいです。

――8曲目の「Blue Moment」は疾走感のある爽やかな曲です。

 この曲は「Determination」とどちらをリードにするか迷ったくらいに大好きな曲です。一瞬で過ぎてしまう青春を忘れたくない、忘れられないという儚さと、過ぎていったとしても振り返ってこのときを愛するという潔さも感じられたんですね。あと、イントロにも入っているギターもすごく好きなんです。この曲がライブの終盤やここ一番の盛り上がるところで流れたら、いい空間ができるだろうなと感じています。サビに共通して入っている「時が過ぎても〜」からのフレーズがすごく気に入っていて、ブラッシュアップする際も残してほしいとお願いしました。

――9曲目の「星を見上げて」は落ち着きのあるナンバーですね。

 まさに落ち着きのあるナンバーを作りたくて選ばせていただきました。初めて聞いたときに壮大さと生命力を感じて、今回選ばれなかったとしてもいつか歌いたいと思えるくらいに自分の好みにドンピシャの曲でした。遠い星空や宇宙を思わせる世界観の歌なのですが、「Determination」で書き切れなかった、応援してくださる方への思いを表現しつつ、日常に寄り添うような楽曲になったなと思います。冬の澄んだ夜の空気のなか、お仕事帰りの夜道で聞いていただけるような曲になりました。

――そしてラストの「Azurite」は、ご自身の作詞曲でもあります。

 ライブを意識しながらアルバムを作っていったのですが、みんなで歌ったり、空間を共有している実感を持てる歌がほしいと思って選んだ曲です。今後のライブのなかで、この曲が「Determination」と一緒に育ったらいいなという思いを込めて作詞をしています。タイトルの「Azurite」は鉱石の名前ですが、その石を砕いて作られる「白群」が私の大好きな色で。今回、アーティストカラーを白群=水色に決めたので、ライブ会場も白群のペンライトで染まるといいなと思い、そんな会場を作り出してくださるお客様を原石である「アズライト」に例え、おひとりおひとりと気持ちを交わすような、皆さんへの思いを綴る歌にしました。

――こちらの作詞はスムーズに進みましたか?

じつは、思いついた単語を書きつらねていたら、いつのまにか1万字になっていたんです(笑)。さすがに歌に入りきらないので、ブラッシュアップをしていきました。「Azurite」は最後に曲が決まったので、「Determination」の作詞やほかの曲のレコーディングなど、いろいろな経験も経ての作詞なので、ライブでずっと歌い続けていくお守りのような歌詞にできたと思っています。

――ジャケット写真などのアートワークは、少しアンニュイな感じが素敵ですね。

 ありがとうございます。ジャケットに関しては、デザイナーさんにたくさんの資料を作って持っていったら、「ご本人がこんなに持ってくるのは初めてです」と驚かれました(笑)。重々しい決意ではなく、未来の光がふっと差し込んで呼吸ができるような、神聖な温度のある決意にしたくて、光をテーマにジャケットを作りたかったんです。そうお伝えしたら、思ったとおりのものを作っていただけました。アーティスト写真は、前を向いて取り繕わない表情のカットを選びました。これまで制作物の表紙や宣材写真は99.9%笑顔だったので、「本当にあみたですか」とおっしゃる方もいましたね。イメージカラーの水色(白群)についても、しっくりこない方もいらっしゃるかもしれませんが、少しずつその印象を変えていけたらと思っています。そのほか、特典の写真集もすごく素敵に撮っていただいたので、お手に取っていただけたらうれしいです。

――2025年に4月開催される1stライブは、どんなステージにしたいですか?

 声優アーティストとしての目標が「長く続けること」と「ライブが楽しいと思っていただけるアーティストになること」なんです。アイドルグループ時代は毎日のようにフェスに出演して、何回もライブに出ていたこともあり、アルバムをひっさげたライブをしてこそ、本当の意味でアルバムが完成したと言えるんじゃないかと考えていたんです。ですから、1stライブは各曲の深みがさらに増すようなものにしたいです。じつは今回、8年ぶりくらいにイヤモニを作り直したんですね。アーティスト活動をがんばるぞという気持ちを込めて水色も入れたので、そんなところにも注目して欲しいです。

――これまで前島さんは、いろいろな作品のライブに立っていますが、ソロとなるとまた気持ちは違いますか?

 だいぶ変わります。キャラソンや作品のライブのときは、もちろんいつも全力ですが、裏方のような気持ちが強いんです。ソロだと自分が先頭に立つ覚悟を決めなくてはいけないんだなと、いまは強く感じています。

――今回のアルバムは自分にとってどんな1枚になりましたか?

 宝物です。「Determination」が完パケしたとき、すごく感動したんですね。これまでのさまざまな曲は作品のもの、キャラのもの、お客様のものという意識だったのですが、自分で作詞をしたこともあるのか、自分の歌なんだという気持ちが強くなって。応援してくださる皆さんと共有できる宝物ができたと感じましたし、音楽が自分のなかに入ってくるような感覚もありました。数年経ったあとに、あのときがんばったなと愛おしく思えるものになったら、さらに素敵だなと思っています。

――最後に、読者にメッセージをお願いします!

 私がアイドルをやっていたころは、アイドル戦国時代といわれ、いまは声優アーティスト戦国時代なんじゃないかとうっすら思っています(笑)。でも、先輩方や親交のあるお友達の声優さんの素晴らしいステージに刺激を受けて、同じステージでがんばる決意をしました。これから先、1曲でも聞いてみようかな、1回でもライブに行ってみようかなと思える声優アーティストになれるようにがんばります。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

Profile
まえしま・あみ/11月22日生まれ。埼玉県出身。ボイスキット所属。
声優としての主な出演作は『古見さんは、コミュ症です。』矢田野まける役、『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』丸山彩役など。

Information
11月22日に東京・池袋Club Mixaで『Determination』発売記念バースデーイベントを開催。12月には、大阪、東京で発売記念リリースイベント(トーク&ポスターお渡し会)が行われる。
また、2025年4月13日に、神奈川・横浜関内ホール 大ホールで1stライブの開催が決定。詳細は特設サイト【https://king-cr.jp/maeshima-ami/】をチェック。

『Determination』
11月20日発売
キングレコード

 前島亜美のアーティストデビューアルバムは、全10曲収録。リード曲「Determination」と「Azurite」は自身が作詞を担当。初回限定盤には、40ページの写真集が封入特典として同梱。また両盤とも、1stライブのチケット先行抽選シリアルナンバーを封入。

初回限定盤6050円(税込)
通常盤3300円(税込)
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