お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが、発行元の文藝春秋などに5億5000万円の賠償を求めていた裁判で、松本さん側が11月8日、訴えを取り下げたことを発表しました。
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所属する吉本興業は11月8日、「活動再開につきましては、関係各所と相談の上、決まり次第、お知らせさせていただきます」と表明しています。今後、松本さんがTVなどに復帰する可能性、そして条件はあるのでしょうか。
「弁護士ドットコムニュース」のYouTubeチャンネルにて、玉川徹氏が元テレ朝の西脇亨輔弁護士に聞きました。
(本記事は11月22日配信の「弁護士ドットコムニュース」チャンネルをもとに記事化しています)
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玉川:今後、松本人志さんはテレビに復帰できるのでしょうか。
西脇:(一つの参考例として)旧ジャニーズ事務所の加害問題の時にテレビ各局が、どう判断したのか考えてみます。
この時、テレビ局を含めたマスメディアは、あの問題にどうして向き合ってこなかったのか?と、「マスメディアの沈黙」などと言われました。
以前より国際的な活動をしている会社では、人権を尊重するための決まり、人権方針を定めていましたが、テレビ局にはなかった。それを旧ジャニーズ問題を境に各社作りはじめたんですね。この人権方針が、初めて試される場に(松本さんの復帰が)なると思います。
どこまで松本さん側に説明を求めていくのか。何がきっかけとなって、何があったら取引が再開できるのか、それともできないのか。それらを考えなければいけません。
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玉川:松本さんの復帰問題は、テレビ局が人権問題ととらえない限りは、先に進まないということなんですね。
西脇:そこをちゃんとしないといけないと思います。それをしない限り、スポンサーや、周りの関係している人全体に、どういう理由で、何を“良し”として松本さんとのお付き合いを再開するのか説明がつかないと思うんですよ。
(取り下げによって)裁判がなかったことになり、最初の「週刊文春」の報道の日に全部が戻ってますから。あの報道について何もコメントなしの状態で、またお付き合いをしていいのかという話が残るんだと思うんですよね。
玉川:松本さん側は、「強制性を証明するような物証はありませんでした」というようなことをコメントで出されています。でも、強制性はなくても、いわゆる不倫の状態のことがあったのはほぼ認めているような状況にありますよね。
たとえば、不倫をしたことを理由としてテレビに出られない芸能人は多くいます。拒否感をもつ人が多ければ、スポンサーとしてはスポンサードできませんという話になります。
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玉川:テレビ、特に地上波はスポンサードで成り立っているわけですよね。スポンサーがCMを提供しないってことになっちゃったら、もう番組作れないわけですよね。
西脇:2つにわけて考えなければいけないですね。いわゆる不倫の問題は、少なくとも今の日本では、何か法律に反することはない。もちろん民法上は、損害賠償などが発生するかもしれないけれど、不倫の問題は、価値観だったりとか、そういう人はちょっと気持ち悪いといった感情の話。
一方で、今回「週刊文春」で報じられた“性加害”という問題になってくると、女性の意思に反してそういったことをしていたのかどうか。加害や問題があったとすると、たしかに刑事事件にするとしたら時効や証拠の有無が問題になるのかもしれないけれど、もしもそういった女性の意に反してそういったことがおこなわれていたとしたら、それは、人権の問題なんですよね。不倫は人権の問題ではないけれど、加害は人権の問題になるといえます。
そこについて松本さんがどういう説明をするのかどうか。それによってスポンサーが仮にいいと言っても、局のポリシーとして、「加害だったらダメ」「普通のプライベートだったらいろいろな判断にゆだねる」という切り分けになってくるのかなという気はしますね。
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