ミュージカル『タミー・フェイ』の音楽を手がけたエルトン・ジョン。ブロードウェイ公演では観客動員数が得られず、開幕直後に閉幕日が発表された(『Elton John Instagram「The Rocket Man himself ブロードウェイミュージカル『タミー・フェイ(Tammy Faye)』が、開幕からわずか3週間で閉幕することが分かった。同作はエルトン・ジョンが音楽を担当し、2022年に英ロンドンで行われたプレビュー公演では、チケットが完売するなど大成功を収めた。米ニューヨークで今月14日に開幕したが、その5日後には12月8日に千秋楽を迎えることが発表された。現地メディアによると、同作は開幕当時から酷評され、それが原因で観客動員数は収容人数の6割に留まった。
【この記事の他の写真を見る】
米伝道師タミー・フェイ・メスナー(2007年死去)の生涯を描いたミュージカル『タミー・フェイ』は、エルトン・ジョンが音楽を手がけ、バンド「シザー・シスターズ」のジェイク・シアーズが歌詞を担当し、劇作家ジェームズ・グレアムが脚本を執筆した。
2022年10月13日に英ロンドンのアルメイダ劇場で初めて上演され、12月2日までプレビュー公演が行われた。
ロンドン公演はチケットが完売し、舞台は絶賛を浴びた。翌年には英国で最も権威ある「ローレンス・オリヴィエ賞」の最優秀新人ミュージカル賞にノミネートされるなど、大成功を収めた。
2024年には舞台が米ニューヨークのブロードウェイにあるパレス劇場に移され、10月19日にプレビュー公演が始まった。11月14日に舞台が開幕し、初日にはエルトンも出席した。
しかし海を隔てたニューヨークでは、ロンドン公演の成功とは対照的に、開幕からわずか5日後の19日に12月8日で閉幕することが発表された。
米メディア『The Hollywood Reporter』によると、『タミー・フェイ』のプロダクションには最大2,500万ドル(約38億7千万円)の予算が組まれていたという。
しかし、今月17日までの初週の興行収入は374,371ドル(約5800万円)で、観客動員数は5,732人と会場の収容人数のわずか63%にとどまった。
本作について、ニューヨークの評論家たちは厳しい評価を下しており、米誌『Variety』のフランク・リッツォ氏は「見当違いのウェスト・エンドの輸入品」、米紙『New York Times』のエリザベス・ヴィンセンテッリ氏は「妙に淡白で感情に訴える力が弱い」と酷評していた。
英メディア『Daily Mail Online』に語った関係者によれば、観客動員数が伸び悩んだのは、同作がニューヨークの観客に共感を得られなかったためだという。
「脚本家たちでさえ、ストーリーが観客に十分に伝わらないことを懸念していました。収容人数1,700人の会場で、一公演あたり300枚しかチケットが売れなかった。これはエルトンにとって大きな打撃であることは否めません。」
この関係者によると、同作は公演初日から不評であったため、業界関係者は舞台が成功しない可能性を予測していたという。
「初日の評判は芳しくなく、厳しい批評が相次ぎました。彼らは年内に打ち切られると思っていたようです。」
このミュージカルは、タミーの名声や一連のスキャンダル、そして同性愛者の権利擁護活動に対する社会的な反発を複雑に絡めた作品だ。生前のタミーはLGBTの人々を支援し、HIV患者に手を差し伸べた。
画像は『Elton John Instagram「The Rocket Man himself,」』『Tammy Faye on Broadway Instagram「TAMMY FAYE’s stars Katie Brayben, Christian Borle and Michael Cerveris pose on their Broadway opening night red carpet along with the musical’s composers Sir Elton John and Jake Shears.」「Bringing Tammy’s story to Broadway has been an absolute joy」』より
(TechinsightJapan 編集部 寺前郁美)