宮崎県内のとある民家で不安そうに過ごす犬1匹と猫4匹。
家犬、家猫として飼い主と過ごしていましたが、飼い主が今年の春先に逝去。行き場を失うこととなり、真っ暗の家の中でただただ体を寄せ合い過ごすことしかできない状況でした。
犬猫を助けようと亡くなった飼い主の親類が奔走
亡くなった飼い主の親類が「犬猫たちに新しい家を見つけてあげたい」と奔走。その中で地元の保護団体・咲桃虎(さくもんと)にも相談が持ちかけられ、団体も他団体へのレスキューの呼びかけや里親さん探しに協力することになりました。
同時に、犬猫たちはしばらくの間、親類の方が毎日民家に訪れエサやペットシートの交換などのお世話をし続けました。
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飼い主が亡くなり、飼っていた犬猫が行き場を失うケースはありますが、親類が全く知らんぷりを決めることは珍しいことではありません。そこで構えば自分たちに労がかかるわけで、「うちで引き取ってあげたいけど、そんな余裕はないしね」「新しい里親さん探しをすると言っても、そんな時間もないしね」と、保護ボランティアなどにお世話を押し付けたり、さらにひどいケースではそのまま保健所に持ち込むようなこともあります。
そんなことを考えれば、この飼い主の親類の方々は本当に心ある人たちです。団体でもその思いを受け、積極的に犬1匹と猫4匹を未来へ繋ぐよう動きました。
そう簡単ではない犬1匹猫4匹の受け入れ先
犬1匹と猫4匹となると、新しい受け入れ先探しは簡単なものではありません。団体ではあいにくキャパシティがいっぱいの状況ではありましたが、最悪どこも受け入れ先が見つからなかった場合に備えて、この犬猫たちの受け入れを整え始めました。
しかし、そんな矢先、新しい家探しに奔走していた親類の方が、全匹の受け入れ先を確保したのでした。
親類で手分けして犬猫を受け入れることに
日々保護活動をしている団体やボランティアでも、容易ではない保護犬猫の新しい家探し。「短い時間に全ての家を見つけた」ということに驚きを隠せませんでしたが、よく聞けば、親類の方々でさらに深く話し合い5匹それぞれを兄弟や甥っ子さんの家で受け入れ、お世話をすることになったのです。
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なんという心優しき方々なのでしょう。果たして、犬1匹と猫4匹は無事に新しい家で、新しい生活を送ることになりました。
仲良しだった犬1匹と猫4匹は、それぞれ新しい家に連れて行かれる際とても抵抗し、特に猫を保護した甥っ子さんは傷だらけになってしまいました。しかし、やがて親類の方々の愛情は犬猫たちにも伝わり、今では元飼い主との突然別れた辛い過去を忘れるほど元気に明るく過ごしているとのことです。
優しさの連携で繋がった犬1匹と猫4匹の未来。亡くなった飼い主もきっと親類にお礼を言い、犬猫たちを優しく見守ってくれていることでしょう。
(まいどなニュース特約・松田 義人)
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