現在ブンデスリーガ2部に身を置くハンブルガーSVが、新監督としてルート・ファン・ニステルローイ氏に注目しているようだ。『スカイ・ドイツ』が25日に報じている。
今シーズン、ハンブルガーSVは2017−18シーズン以来の1部復帰を掲げてシーズンをスタートさせたものの、ここまで5勝5分3敗の勝ち点「20」獲得にとどまっている。順位は8位に甘んじており、首位を走るパーダーボルンとの勝ち点差は「4」。順位表の数字だけ見ると決して悪くないようにも思えるが、23日に行われた第13節シャルケ戦を2−2のドローで終えたことで、現在4試合未勝利と苦しんでおり、同試合翌日の24日にはシュテフェン・バウムガルト監督の解任を発表していた。
監督の座が空位となったハンブルガーSVは、後任に複数名の候補者をリストアップしているが、そのなかにファン・ニステルローイ氏の名前も含まれているという。現時点で具体的な話をスタートさせる段階には達していないものの、2部に沈む名門の再建を託される可能性が低くはないと予想される。
現役引退後のファン・ニステルローイ氏は、オランダ代表のアシスタントコーチやPSVのアカデミーでコーチや監督を歴任すると、2022年7月からPSVのトップチームで監督に就任し、同シーズンにKNVBベーカー(オランダ・カップ)優勝を達成。しかし、シーズン閉幕直前の2023年5月、クラブ内のサポート不足などを理由に退任すると、今年7月からはエリック・テン・ハフ前監督のもと、現役時代に公式戦通算150ゴールを挙げるなどの活躍を残したマンチェスター・ユナイテッドで、コーチに就任していた。
9月28日にテン・ハフ前監督の解任が発表されると、マンチェスター・ユナイテッドはスポルティングを率いるルベン・アモリム氏を新監督として招へいしたものの、同氏の任期がスタートする11月11日までの期間は、ファン・ニステルローイ氏が暫定監督として指揮を執った。その期間、チームは公式戦4試合で3勝1分無敗という成績を残し、ファン・ニステルローイ氏はアモリム監督にバトンタッチ。同時に、11日付でファン・ニステルローイ氏はクラブを離れることが決まっていた。
ファン・ニステルローイ氏自身は一刻も早く監督業、もしくはコーチ業への復帰を熱望しており、ハンブルガーSVの置かれた状況が決して簡単ではないことを理解しつつも、オファーが届ければ前向きに検討する可能性が高いという。なお、ファン・ニステルローイ氏に注目しているクラブはハンブルガーSVだけでなく、24日付でスティーヴ・クーパー監督を解任したレスターや、イングランド2部にも関心を示すクラブが複数ある模様だ。
ちなみに、ファン・ニステルローイ氏は現役時代に、PSV、マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリードで得点王に輝く活躍を見せた後、2009−10シーズン途中から翌シーズン終了時まで、ハンブルガーSVでプレーした経験がある。1シーズン半で公式戦通算44試合のピッチに立ち、17ゴールを挙げるなど活躍し、2011年夏にマラガへと旅立っていた。
仮にファン・ニステルローイ氏の監督就任が決まった場合は、2011年夏以来、約13年ぶりの古巣復帰となる。果たして、オランダの英雄のカムバックは実現するのか。今後の動向に注目だ。
【ハイライト動画】ファン・ニステルローイ暫定体制は無敗で終結