原因はスマホの見過ぎ？　若年層は腰よりも首や肩に悩み

　進化の過程で二足歩行になり、脳も大きく重くなりで、腰痛や肩こりはヒトの宿命と諦めたくもなるが、近年はそれ以外の原因がクローズアップされている。“スマホ”だ。「カラダの痛み・悩みに関する実態調査2024」によると、20〜30代は首や肩に悩みを抱える人が多くなっている。

　調査を実施したのは、サポーター専業ブランド「MEDIAID（メディエイド）」を展開する、日本シグマックス（東京）。国内の20〜65歳の2203人を対象に4〜5月に調査。多くの年代が腰に最も痛みや悩みを抱えているのに対し、20代男性は首に痛み、悩みを感じている人が多く（35％）、腰（26％）を上回った。20、30代女性でも肩がトップスコアで、若い世代は首や肩まわりに問題を抱えている人が多いようだ。

　「モバイル社会白書Web版 2023年版」（NTTドコモ モバイル社会研究所）によると、スマホの利用時間は年代が低いほど長く、1日4時間以上スマートフォンを利用していると回答した20代男性は46.6％、20代女性は69.5％。20代が首や肩に悩みを抱えている要因として、長時間のスマホ利用の影響がうかがえる。

　アスリートの障害予防や腰痛運動療法に詳しい金岡恒治氏は、二足歩行をする私たちは体重の約8〜10％を占める頭を頚椎（けいつい）のみで支えている。体重60kgの人であれば頭の重さは約5〜6kgで、ボウリングの球の重さと同じくらいだと説明。「本来、頭は首の真上にあるのが最も安定した状態だが、スマホ操作やパソコン作業の時間が長いと、首が前側に傾く時間が圧倒的に長くなり、いわゆるストレートネック気味の状態になる」とし、「スマホを見るために首を60度ほど前に傾けると、体重の半分近くもの重さが首にかかり、首から肩を覆う僧帽筋には過重な負担がかかってしまう。また、このような姿勢のときには骨と骨をつなぐ椎間板にも負担がかかり、椎間板ヘルニアが起こって痛みやしびれに発展することがある」と警鐘を鳴らしている。

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