【北京時事】中国・北京で26日、「第2回中国国際サプライチェーン(供給網)促進博覧会」が始まった。開幕式に出席した韓正国家副主席は、「(中国と外国は)より高いレベルの互恵を目指すべきだ」と演説。中国製品に10%の追加関税を課す方針を表明したトランプ次期米政権をけん制した。
供給網博は昨年から始まった。主催者によると、今回は3割超が海外の事業者。参加する日本企業の数も昨年から急増した。
ある日系メーカー幹部は「(中国側から)出展を強く促された」と明かした。中国はこれまで安定した対外関係を経済成長につなげてきた。欧州メディアの関係者は、トランプ政権の発足を前に、「外資との関係強化を図る狙いがある」と分析。韓氏は演説で「中国の門戸はこれからもますます開かれるだろう」と訴えた。
ただ、米中関係は半導体などのハイテク製品を中心に供給網の分断が進んでおり、今後もこの流れは続くとの見方が大勢だ。先の日系企業幹部は「当社は中国と米国の両方で出展する」と打ち明けた。
トランプ氏が表明した追加関税について、開幕式に出席したタイ企業の幹部は取材に対し「世界の誰にとっても良いことではない」と声を落とした。日系企業からは「本当に発動されるのか影響を注視する」との声が聞かれた。
博覧会は30日まで開催。開幕式には訪中している関西経済連合会の代表団も出席した。
北京で始まった中国国際サプライチェーン(供給網)促進博覧会に参加した米テスラのブース=26日