※本稿は『HUNTER×HUNTER』最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。
現在『HUNTER×HUNTER』では、大型船「ブラックホエール(B・W)1号」を舞台とした「王位継承編」が繰り広げられている最中。しかし設定の風呂敷がどこまでも広がっているため、「本当に収拾がつくのだろうか……」と不安になっている読者も多いのではないだろうか。
(参考:【写真】これは欲しい……『HUNTER×HUNTER』の人気キャラをモチーフにしたZoffコラボメガネ)
しかしいくつかの要素を踏まえて今後の展開を考えてみると、実は「王位継承編」の終わりはそこまで遠くないのかもしれない。というのも現在作中で描かれている「出航12日目」に、壮大なカタストロフィを感じさせる要素が揃っているからだ。
11月25日発売の『週刊少年ジャンプ』52号(集英社)に掲載された第408話では、船内で「特殊戒厳令」が発令されたことが描かれていた。これは“国家的危機”への対処を名目として、軍部がカキン帝国の全権を掌握するというもの。
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かねてから司法局のカイザルは第1王子・ベンジャミンがこの法令を発動するのではないかと警戒しており、最悪の場合、反乱分子が10分もかからないうちに処刑されていくことを示唆していた。結果がどう出るかは未知数ではあるが、硬直しかけていた王位継承戦が大きく動き出すことは間違いないだろう。
他方で気になるのは、第380話で十二支んの1人、ミザイストムが口にした言葉。彼は「B・W1号」船内での混乱が頂点に達したとき、20万人の民衆がパニックを起こし、船が沈没する……という予想を語り、その日までのタイムリミットを「破滅への導火線」と呼んでいた。「特殊戒厳令」がそうした破滅への引き掛けとなる可能性はありえるだろう。
しかも下層では、カキンマフィアの一角であるエイ=イ組の暗躍が加速している最中だ。それはたんなる虐殺ゲームではなく、エイ=イ組のトップ、モレナは明確な計画性をもって構成員たちの“レベルアップ”を促している。最終目的はカキン国の滅亡にあるというので、計画が発動すれば船内は大混乱に陥るはずだ。
また第9王子・ハルケンブルグは、念能力によってベンジャミン私設兵隊長・バルサミルコの肉体を乗っ取ったが、自身の肉体の葬儀が行われる日に「継承戦の勝者となる為の次なる一手」を打つことを予告していた。そして葬儀が行われているのは、他でもない「出航12日目」だ。作中ではまだ描かれていないが、発令が宣言された「特殊戒厳令」も彼のこの動きと関係しているのかもしれない。
「王位継承編」で今後予想される展開
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そのほか「出航12日目」は、クラピカによる第2回目の念能力講習会が始まる日でもある。そこに不可持民出身者で構成された第2王子・カミーラの私設兵が参加を表明していたが、彼らは呪殺に特化した念能力を持っているため、大きな波乱を巻き起こしそうだ。
さらに、センリツたちの動きにも注目が集まる。センリツはカイザルやカチョウの姿となった守護霊獣と共に、第11王子・フウゲツを衰弱させている犯人を始末する計画を立てているのだが、決行は「出航12日目」の夜となる予定だ。
とはいえその一方で、「王位継承編」が今後しばらく続くことを示唆する要素も少なくない。たとえば第3王子・チョウライの守護念獣が生み出したコインは、10日ごとに数字が1から10に増えることがわかっており、クラピカは持ち主を半強制的に「忠誠」させる操作系の能力ではないかと疑っていた。
そしてコインを受け取った人物の1人がセンリツなのだが、その日付は出航10日目。すなわち、出港20日目で数字の変化が生じる計算となる。この描写が何らかの布石だとすれば、少なくとも20日目までは王位継承戦が続く……という風にメタ読みできるだろう。
その一方で第4王子・ツェリードニヒは、自身の念能力のポテンシャルを最大限発揮するため、絶状態に入るまでの時間を短縮する特訓を続けている最中だ。これによって念能力が完成を迎えるものと思われるが、ツェリードニヒ自身は出航11日目の時点で、「1秒の壁」を超えるには1週間か10日、最悪2週間ほどかかりそうだという見込みを語っていた。こうした描写を振り返ると、王位継承戦の1つの山場が20日目以降に待ち受けているようにも見える。
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他方でクロロはヒソカを倒すために行動しているものの、今すぐ対決するつもりはない模様。カキン国の「三種の神器」を盗んで「盗賊の極意」を進化させた上、ヒソカを確実に仕留められる念能力を手に入れようとおり、色々と準備を積み重ねている段階だ。
ともあれ、すでに「王位継承編」の主要な役者は出揃いつつあるように見える。後は物語が動き出すのみだが、“破滅の日”は本当に到来するのだろうか……。
(文=キットゥン希美)
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