今シーズン1軍で1試合の登板に終わった楽天・田中将大が電撃退団することが11月25日に明らかになった。田中は25日の午後6時ごろ、個人の公式ユーチューブチャンネルに動画を投稿した。
「楽天と来季の契約を結ばず新たなチームを探すことに決めました」
2023年秋、右肘のクリーニング手術を受けて再起を目指した。ところが今年3月下旬に2軍落ちを命じられるとそのままファーム暮らしが続いた。
「一時は周囲に『もう無理かも……』と弱音を吐くこともあったと聞く。それでも自分で燃え尽きるまで投げ続けたい思いで、何とかマウンドに上がっていた。担当コーチも田中より実績は全員格下のため最大限の配慮をされた結果、コミュニケーション不足に陥ってしまいそれが余計に空回りに映っていた」(球団OB)
不本意なシーズンを終えたオフには、「来シーズンに向けてやる気をみなぎらせていた」(球団OB)というが、11月に入り一部で年俸1億円以上は40%と定められた減額制限を超える減俸を球団が提示していると報じられた。その後球団サイドと話し合いの場を持ったが決裂。球団行事が終わるタイミングを待って自由契約を発表した。
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去就について田中は動画の中で「どこでプレーするかまだ分からない状態ですがいいコンディション、いいトレーニングを積むことができている。今年、投げられなかった分来年はしっかり投げて戦いたい」と意欲を燃やしているが……。
「交渉にあたったのは石井一久シニアディレクター。当然のことながら、三木谷浩球団オーナーの了承も得ています。田中の楽天復帰は三木谷氏たっての希望により実現したもので、球団首脳でさえアンタッチャブルな案件でした。それが本人からの申し出とはいえ退団が決まった背景には三木谷オーナーが田中を商品として“用無し”と判断したことが大きいとされている」(球団関係者)
日米通算200勝まであと3勝、これを達成すればグッズなど大きな収入を見込めたはずだ。
「それも現実問題として難しくなった。田中の傍若無人さに加えて、昨年オフに発覚した元選手によるパワハラ問題に加担していたと報じられたことが、『球団のイメージダウンにつながった』と判断されてしまった。無理に田中を引き留める理由がなくなったため、リリース(自由契約)しやすいように球団側が仕向けた側面も確かにある」(同)
今後の移籍先はどうなるのか。パ・リーグ球団のフロントは次のように語る。
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「有力なのは先発投手が不足している巨人、DeNA、ヤクルト、中日、ソフトバンク、オリックスなどでしょうか。その中でもヤクルトはバッテリーを組んだ嶋基宏が来シーズン1軍ヘッドコーチに就任し、彼が高津(臣吾)監督に進言すれば獲得の可能性はある。一方、中日は出来高込みで2億程度の予算が準備できれば、かつてカムバック賞を受賞した松坂大輔のように復活できる土壌はある」
26日には楽天モバイルパークで取材対応し、「もう期待はされていない」「居場所がない」と語ったが……。マー君の去就からしばらく目が離せなくなりそうだ。