プレミアリーグで審判を務め、現在は職務停止中になっているデイビット・クート氏に新たな疑惑が浮上している。イギリス紙『サン』が伝えている。
クート氏は、リヴァプールと同クラブの前監督であるユルゲン・クロップ氏に対して、侮辱的な発言をしている映像がSNS上で拡散。映像が本物かどうか、またいつ撮影されたのかについては不明だが、イングランドのプロ審判協会(PGMOL)は調査を開始し、調査が完全に完了するまでクート氏を即時停職処分とすることが今月11日に発表されている。
その後、今夏に開催されたEURO2024で撮影されたとされるものに、クート氏が巻かれた米国紙幣から白い粉のようなものを嗅いでいる様子が伝えられていたほか、自身の担当試合後に友人とドラッグパーティを行おうとしていた可能性も報じられるなど、大きなスキャンダルになっている。
そんななか、今回の報道によると、クート氏は自身が担当する試合前に友人に対してとある選手にイエローカードを提示することを示唆していたことが指摘されている。
問題となっているのは2019年10月に行われたリーズとウェスト・ブロムウィッチ(WBA)戦で、試合前日にオンラインで知り合った友人から、賭けのために当時リーズに所属していた北マケドニア代表DFエズジャン・アリオスキにイエローカードを与えるように伝えられると、クート氏は「ははは、様子を見よう」と返答したという。
そして、実際に試合中にアリオスキにイエローカードを提示したクート氏は試合後に「話し合った通りに賭けてくれていたことを願っている」とその友人にメッセージを送っていたことが発覚したようだ。
なお、クート氏はこのやりとりがあったことを認めているものの、それは単なる冗談であり、金銭的な利益を得たことはなく、不適切なことは何も行われなかったことを主張しているという。
実際にフットボールの専門家によって、当時の場面が振り返られると、タックルの性質を考慮した場合、イエローカードは正当なものだったと判断されたことも伝えられている。それでも、新たな疑惑が浮上している状況からPGMOLのスポークスマンはイギリスメディア『スカイスポーツ』に対して以下のように声明を発表している。
「これらの非常に深刻な疑惑を踏まえ、事実を明らかにする必要がある。私たちは毎年すべての審判員が署名する誠実な行動規範のいかなる違反に対しても一切容認しない姿勢をとっている。PGMOLの理事会はその規範の違反が確認された場合、適切な措置を取ることを約束している」
「デイビット・クートは引き続き職務停止となっており、PGMOLの懲戒処分の対象になっている。この件に関する調査とは別に、FAも独自に調査を実施する。現段階でこれ以上のコメントは控える」
また、FA(イングランドサッカー協会)も「これらは非常に深刻な疑惑であり、私たちは緊急で調査を行なっている」ことを明らかにしている。