10月にランサムウェア攻撃を受けた影響で決算発表を延期していたカシオ計算機。11月27日に当初予定より21日遅れて2025年3月期中間期決算を発表し、身代金の要求があったことなどを明らかにした。
カシオ計算機の渡邉憲浩広報部長によると、身代金の要求については、警察や弁護士とも相談した上で拒絶したという。「支払っても開示される可能性もある。不当な要求には応じない方針をとっている」。
個人情報の流出もあったが、クレジットカード情報等は含まれていなかった。流出した社内情報に機密性の高いものがあったかは現在調査中で、これまでに悪用された形跡はないとしている。
一方で、被害の調査に伴いサプライチェーンに関する社内システムを停止した影響で、第3四半期のクリスマス商戦に向けた製品供給が不足し、販売機会の損失が発生した。「影響は売上高で約130億円、営業利益で約40億円と推定している」。ただしシステムの復旧が進んだため、業績への影響は第3四半期に限定されるという。
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カシオは、10月5日に複数の社内サーバでシステム障害が発生し、外部から不正アクセスを受けた形跡を確認。同月11日にランサムウェア被害だったことを公表していた。その影響で一時は新製品の発売延期や「CASIOオンラインストア」の商品発送が遅延するなどの影響が出た。
同日発表したカシオの2025年3月期中間決算(2024年4月1日〜9月30日)は、売上高が前年同期比+2.5%の1369億円、経常利益は同じく26.5%増の103億円と増収増益だった。主力の時計事業は、消費低迷の影響を受けた中国市場は-28%となったが、インバウンド需要が堅調な国内は+8%と堅調だった。
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