バスケットボールBリーグ1部(B1)千葉ジェッツの渡辺雄太(30)が、日本協会へ不信感を示している八村塁(26=レイカーズ)について言及した。
28日、都内で「りそなグループ B.LEAGUE ALL−STAR GAME WEEKEND 2025 IN FUNABASHI」へ向けた会見に出席後、自ら報道陣へ説明の場を設定。「塁とトム・ホーバス・ヘッドコーチとの関係性が良くなかった。それは事実」と認めた上で、騒動の経緯や自身の見解を口にした。
2人の関係が悪化したのは昨夏のワールドカップ(W杯)での記者会見だった。ホーバス監督が「代表チームでプレーしたい場合は、彼が私たちに電話するべきだ」という趣旨の発言をし、その記事を目にした八村が激怒。ただ実際には、八村の代理人の意向によって日本代表のコーチ陣と八村との連絡手段は遮断されており、指揮官は「こちらから連絡をとれないから、塁から連絡をしてほしい」という意味で発したのだが、その真意が伝わらず、両者に溝が生じたのだという。
これらの経緯を整然と説明した渡辺は「悪者は1人もいない」と強調。その上でホーバス監督について「僕はトムが大好き。僕は日本代表のヘッドコーチとして誰よりもふさわしいヘッドコーチだと思っています。これは僕だけではなく、代表に関わるほとんどの人がそう思っている」と支持する言葉を並べた。
今回の騒動により、ホーバス監督は「しんどい」と周囲にもらしているという。渡辺は「今回の件でトムが辞めさせられたり、精神的にしんどくなって自分から辞めてしまうことが万が一あった時には、正直許せない。それは塁に対して許せないのではなく、こういう状態をつくったこと。記事だったり、世間の言葉だったり、それが許せない。この件でトムが引くようなことがあれば、おそらく代表は崩壊していく」と強い危機感を募らせた。
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この日の説明にあたっては、八村へも事前に「僕なりの意見をメディアの前で話す。塁と対立する気はない」と伝え、本人から「大丈夫」と許可を得たのだという。15分半にもわたった異例の対応は、一刻も早い沈静化と日本バスケ界の発展を願うからこそ。「トムや塁とコミュニケーションをとりながら、これからの日本代表を良くしていこうとやっていくつもり」と関係修復に努める決意を示し「『渡辺対八村』という構図をつくるのはやめていただきたい」と強調した。
◆八村の発言 今月13日に日本協会の姿勢をビジネス優先とし、代表活動の在り方について批判を展開。23日にも再び苦言を呈し「プレーヤーファースト(選手第一)の精神が見られない。そういう方針の日本代表ではプレーしたくないし、そういう団体とはやりたくない」「(ホーバス監督の)練習のやり方、ミーティングも世界レベルではない」などと話していた。
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