国民民主党が引き上げを求める「103万円の壁」をめぐる本格的な議論がスタートしました。議論は難航する見込みですが、学生アルバイトなどにとって前向きな措置は、実現する可能性が高まっています。
かたい表情で会合に臨む、自・公・国3党の税調会長。1時間以上話し合いましたが…
自民党 後藤茂之 衆院議員
「どういう目的・どういう趣旨の要望であるか、そういった点から議論しました」
国民民主党 古川元久 税調会長
「103万の壁対策、最重点事項についての論点の紙をいただきまして。党に持ち帰って、また一度、議論させていただく」
一方で、3党と政府が歩み寄れそうなのが「特定扶養控除」の制度。19歳以上23歳未満の子どもを扶養している場合、世帯主の税負担が減る制度ですが、子の年収が103万円を超えると優遇措置を受けられません。これが学生の働き控えの要因だとされているんです。
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大学4年生
「103万円超えそうなので働いていないです。バイトずっと休んでいます。今、99万円くらい」
大学3年生
「毎月分計算しながら次月の分も管理アプリで計算して。8月くらいからやばくて」
忘年会シーズンを迎える店でも、3人の学生が年収103万円に迫っています。
大衆やきとり 頂 末吉雄典 店長
「早上がりしてもらったり遅く来てもらったり、少し(シフトを)削ったりして12月に入ってもらえるようにしている」
こうした課題の解消に向け、子の年収が103万円を超えても「特定扶養控除」の対象にしようというのです。
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第一生命経済研究所 経済調査部 星野卓也 主席エコノミスト
「政府の減収とかそういう影響は大きくない。実現のハードルは低い。実現しやすい政策ではあるのかなと」
綱引きが始まった「103万円の壁」をめぐる議論。社会の実情を踏まえた制度設計が求められています。