3年前、大分市で起きた時速194キロの車による死亡事故の裁判で、危険運転致死罪に問われた当時19歳の男に、裁判所は懲役8年の実刑判決を言い渡しました。
犯罪被害者の遺族を支援する団体が撮影した映像。早送りで時速194キロでの走行を再現しています。
これと同じ速度の車が引き起こした事故が、2021年2月、大分市で当時19歳の男が運転する乗用車が右折してきた車に衝突。小柳憲さん(50)が死亡しました。
小柳さんの姉 長文恵さん
「なぜ、危険運転致死罪を適用してもらえないのか、悔しさと怒りで夜も眠れない日が続きました」
男は当初、「過失運転致死罪」で起訴されましたが、遺族らは、懲役7年以下の「過失運転致死罪」から最長で懲役20年となる「危険運転致死罪」への起訴内容の変更を求めて、2万8000人分の署名を検察に提出しました。
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大分地検は現場などを調べた結果、過失運転致死罪から、より刑罰の重い「危険運転致死罪」に訴因変更しました。
小柳さんの姉 長文恵さん
「こんな速度じゃなければ、あのような悲惨な事故にはならなかったと思うし、これは何としてでも危険運転(致死罪)に」
5日に始まった裁判の争点は、「危険運転致死罪が成立するか」。検察・弁護側双方の主張は真っ向から対立。
そして、迎えた判決公判。危険運転をめぐる司法の判断は…
「主文、被告人を懲役8年に処する」
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辛島靖崇裁判長は「操作のわずかなミスで事故を発生させる実質的危険性がある速度での走行」と指摘。「法定速度を遵守した運転をしていれば、事故を回避できた」などとして、危険運転に該当する行為のうち、「制御困難な高速度」について認定。被告に懲役8年の実刑判決を言い渡しました。
司法が「危険運転」と認めた判決について小柳さんの遺族は…
小柳さんの姉 長文恵さん
「今後、抑止にならなければならないという分では、量刑はこれでいいのかというのがありますし、ゆっくりちょっと考えていきたい。弟の命を奪った事実だけは決してなくならないので、一生、十字架を背負って生きていってほしい」
弁護側は「控訴するかどうかは差し控えたい」「判決内容を精査する」とコメントしています。
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