「銭湯の聖地」として文化を築き上げてきた京都市内の銭湯も、経営者の高齢化やコロナ禍の利用者減少の影響などで、近年廃業が相次いでいる。京都市北区にあった「明治湯」もその一つ。昭和30年ごろ開業、昭和レトロな雰囲気、ローカル特有の哀愁感、客と気さくに話す番頭――。長年、地元から愛され、地元の景観の一部となっていたが、2021年、施設の老朽化などにより閉店を余儀なくされた。
そんな中、京都の銭湯業界をよみがえらせようとのろしを上げたのが、京都市の不動産会社「ハイトラスト」社長の坂口祐司さん。そして、坂口さんの熱意の下に、銭湯とサウナを愛してやまない京都在住のデザイナー、芸術大生、専門学校生など若手実業家集団が集結。「京都銭湯甦生プロジェクト委員会」が11月26日(いい風呂の日)に始動した。
「明治湯」を2025年春に「明司湯」として生まれ変わらせるプロジェクトのコンセプトは「地域と、育む、銭湯」。今までの銭湯の良さを残しつつ、令和時代に沿ったサービス提供、クリエーティブのファッション性、空間の快適さを追求。また、銭湯が大好きなメンバーが本気でつくる最高のお風呂とサウナを求めて、まるでプライベートサウナでしか味わえないような環境を提供できるように、細部にこだわり建築を進めている。
新しさを調和させ、この先もずっと町に残したくなるサービスやコミュニティーを提供できる銭湯を目指すプロジェクト。最新情報は明司湯のサイト、Instagram @meijiyu_kyotoなどで随時発信していく。
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