“ノンアル”が市場に出回るようになった頃は、「車の運転がある」「体調がイマイチ」などという時にアルコールの代わりに飲むものという位置づけだった。しかし、今や代替物のポジションを脱し、一つの独立した地位を確立しつつあるようだ。キリンビール(東京)の「ノンアルコール飲料意識調査2024」によると、8割の人がノンアルは昔に比べておいしくなったと実感している。
全国の20〜59歳の960人に8月13日〜14日に調査を実施。1年以内にノンアルコール飲料を飲んだことがある人は4割以上。37%はビールテイスト飲料を飲んだことがあると回答した。これらのノンアルを飲んだ理由の1位は 「リフレッシュ・気分転換したいから」(33.9%)で、「クルマを運転する必要があるから」(33.7%)や「お酒によって翌日の予定に支障が出ることを避けるため」(28%)といった消極的な理由を上回った。
ノンアルのイメージも、「食事を楽しむために飲むもの」(40.9%)が最も高く、続いて「気分転換をサポートしてくれるもの」(39.6%)。やはり「お酒の代わりにやむを得ず飲むもの」(38.1%)を上回っている。
ノンアルコール飲料は、2009年に世界で初めてアルコール分0.00%の「キリン フリー」が発売され、当初は飲酒運転の厳罰化を受けた社会貢献の意味合いも兼ねていた。それから15年がたち、飲酒運転の抑止以上に一つの飲みものとして社会に浸透してきた様子がうかがえる。
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