東京都足立区の源証寺で昨年、住職を練炭による一酸化炭素(CO)中毒にさせて殺害したとして、殺人罪などに問われた石材会社「鵠祥堂」(千葉県鎌ケ谷市)社長、斎藤竜太被告(51)の裁判員裁判の判決が29日、東京地裁であった。野村賢裁判長は「卑劣な犯行だ」として懲役25年(求刑懲役30年)を言い渡した。
野村裁判長は、同社が販売していた寺の霊園を巡り、さまざまな制約を課す住職に斎藤被告が不満を募らせたと指摘。寺敷地内の同社事務所を一部撤去するよう求められたことなどに憤り、住職を殺害したと認定した。
その上で、換気が難しい地下納骨堂で練炭28個に着火し、無色で無味無臭のCOを充満させており、「生命侵害の危険性が非常に高く、複数の被害者が出る可能性を認識していた」と述べた。
判決によると、斎藤被告は同社役員青木淳子被告(64)=殺人罪などで起訴=と共謀し、昨年7月22日夜、寺敷地内の納骨堂で練炭を燃やし、翌23日朝に訪れた男性住職=当時(70)=をCO中毒にさせて殺害。住職の妻と次女にCO中毒の傷害を負わせた。