「認知症でも色んなことできる」 ポスティングに洗車…認知症の人が“働ける場”つくるデイサービスも 誤解なくし誰もが生きがいをもって暮らせる社会へ

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2024年11月29日 16:53  TBS NEWS DIG

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政府はきょう、認知症の人の社会参加を促すことを盛り込んだ基本計画をまとめました。「認知症になっても社会に貢献できる」、そんな日々の活力を見つけた人たちを取材しました。

神奈川県相模原市に住む田頭登さん(81)。3年前、認知症と診断されました。自宅のいたるところには妻・公子さん(80)の手書きのメモが。

登さんの妻 田頭公子さん
「(Q.出かける前に伝えても?)だめです。全然覚えていないです」

登さんは普段、市内にあるデイサービスに通っていますが、そこは大半を室内で過ごす多くのデイサービスとは異なります。

この日、登さんの姿は住宅街に。介護スタッフと一緒にチラシのポスティングを行っていました。

田頭登さん
「歩くだけでも健康にいいですよね」

登さんが通うデイサービスでは、地域のお店などから依頼を受け、利用者がボランティアを行います。一部には謝礼が支払われ、参加した人が仕事量に応じた金額を受け取れる仕組みです。

田頭公子さん
「行きだして調子がいいんです。『暇つぶしにはいい』とか言い出して、そんなこと言ったこともあまりないのに。元気になっちゃったんです」

妻の公子さんは、このボランティア活動が登さんの日々の活力につながっていると言います。

この日、同じくデイサービスの利用者が訪れたのは薬局です。週1回、店舗や控え室の清掃、仕事で使う車の洗車を任されています。

横手ミヨさん(81)
「少しでも役に立ってるんだなと思えるのが幸せかなと思います。この歳になったらどちらかというと『おばあちゃん何もしなくていいよ』 と言われる歳じゃない?『仕事があるって幸せだな』ってこの頃思えて」

きょう行われた政府の推進本部では「認知症の人が社会に参加する機会を確保する」ことが盛り込まれた基本計画がまとめられました。

一方で、デイサービスの責任者は「認知症になったら何もできなくなる」といった誤解もあり、認知症の人が活躍できる場はまだ少ないと言います。

BLG相模原 社会福祉士 伊藤知晃さん
「できないこともあるが、きちんと色んなことができるんだと理解してもらう。デイサービスと地域の企業をつなげるコーディネーターを自治体に配置する予算とか、そういうものがあれば、もっとそういうこと(社会参加)ができる人たちが増えていく」

認知症への正しい理解と、誰もが生きがいをもって暮らしていくための環境づくりが求められています。

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