【ワッキーウッキーのアメリカトレンドレポ】アメリカ在住歴24年のクックパッドアンバサダー・ワッキーウッキーさんがシカゴより最新トレンドをレポート!アメリカで流行っている食材や、日本でもお馴染みのアノ商品の意外な一面などを現地からお届けします。今回は、ベジタリアン先進国・アメリカで見つけた驚きの代用食品についてご紹介します。
日本の朝食といえば、白米に味噌汁、卵焼きなどの和食や、トーストにジャム、ヨーグルトなどの洋食が一般的ですよね。アメリカ家庭の朝食で一般的なのはシリアルにミルクをかけるスタイルで、家には複数種類のシリアルが常備してあることも多いです。
ですが、実はアメリカには、日本では想像もつかないような食べ物が朝食として大人気なんです。
その名は、Pop Tarts(ポップタルト)。
1963年の発売以来、60年以上に渡ってアメリカで愛され続けているロングラン商品です。
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どう見てもこれはお菓子では……?
アメリカの驚きの朝食「Pop Tarts」
Pop Tartsは、長方形のタルト生地の中にクリームやジャムなどがサンドイッチされている商品。タルト生地の上にはフロストといわれるアイシングクリームが塗ってあります。
定番商品で一番人気は王道のストロベリー味で白いフロストとスプリンクルのイチゴ味
……はい、ご想像の通り、とっても甘いです。これぞ、ザ・アメリカンな甘さ!日本人的感覚だと、「これは絶対にお菓子!」という気持ちになります。朝からこれを食べたら何だか気分がハイになってしまいそうな甘さ。日本人が食べたら、塩気の効いた物が食べたくなること間違いなしです。
Pop Tartsは、日本でも有名なケロッグ社の会長ウィリアム・E・ラモート氏が、「おいしい朝食を、持ち運びやすくトースターでも焼ける長方形の食べ物で作りたい!」という野望を持ち続け、ジャムを使った独創的なアイディアで生み出した商品。※1
その人気は確固たるもので、2023年10月にはアメリカで約9億7,800万ドル(約1,500億円11月12日付1ドル153円)の売上を打ち出しており、その人気のほどがうかがえます。※2
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発売当初は、ストロベリー、ブルーベリー、アップルカラント、ブラウンシュガーの4種類のフレーバー展開でしたが、現在では30種類以上のフレーバーが!過去の物も含めると、なんと100種類以上が世に出ています。
アメリカの甘いデザートで忘れてはならないのがスモア、この組み合わせ最高なんですけど
小袋タイプの商品は1箱に5パック入っていて、クランチーなブラウニーが沢山入っています。ランチ時のスナックとしても人気です
どのフレーバーも甘さがとっても強くて、私はいまだに「これを朝から食べるの……?」とびっくりしてしまうのですが、スーパーではシリアルやオートミールと同じ場所に並んでおり、立派なブレックファースト商品扱い。れっきとした朝食として認知されています。※3
朝食に必要な商品が並ぶ一角にドーンとあるPopTartsの青い箱。ブランドカラーは青なんです
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アメリカの朝食の定番シリアルの横に並んで青色が目立ちます
特に子供たちから人気の商品ですが、「朝から子供に食べさせて良い物なのか?」とびっくりです。
発売当初は、片手で持ち、口にくわえて外に出たり出来る手軽さが人気で、この斬新なアイディアにも子供たちが夢中になり大成功を収めたのです。
現在でもそのまま食べるのが一般的かと思いきや、実はおすすめの別の食べ方があるのです。 ヒントはその形状にあります。
持ちやすく、食べやすい薄さなのですが、それをパンを焼くトースターに入れて温めて食べるやり方が人気のよう。加熱すると中に入っているクリームやジャムがいい感じに溶け、リッチな仕上がりに。
基本はトースターで温めて食べますが、我慢できない人はそのまま食べてね、と書いてあります
実際に私が持っているトースターで焼いてみました。「焼いたらフロストが溶けるのでは?」と思いきや、全然溶けてない!
一般的な食べ方はトースターに入れて温めて食べますが、フロストは溶けないのでしょうか?
トースターから出した熱々の状態なのにフロストは溶けていません!アメージング!
家にトースターがない場合は、電子レンジで加熱してもOK。その場合はわずか数秒ほどの温めで完成です。
実は「加熱しても溶けない」」手法が、Pop Tartsを生み出したケロッグ社の秘策でもあるのです。そしてこのPop Tartsの開発秘話が、なんと今年NETFLIXで映画化されています。アメリカの2大シリアル企業が、新たな朝食の主役を巡って大バトルとなるコメディ映画です。今回の記事をお読みになった後、ぜひご覧ください。
NETFLIXで映画化!
Unfrosted
アンフロステッド:ポップタルトをめぐる物語
2024 PG-13 Comedy
Pop Tartsを自分で作ってみた!
簡単でおいしく出来たけど、やっぱりお菓子だった
Pop Tarts、パッと見たところ、「簡単に作れそうでは?」と思ったの、で実際に自分で作ってみました。
▼レシピはこちら▼
アメリカの朝食ポップタルト by ワッキーウッキー
生地は市販のタルト生地を広げて軽く伸ばして使用。フィリィング(詰め物)は3種類用意しました。
・濃厚なチーズペーストに塩気のあるベーコン
・ほっこりする甘さの栗ペーストにピスタチオ
・シンプルなイチゴジャム
です。
このフィリングを短冊型に切った生地の片方にのせ、生地を折りたたみ、フォークで閉じます。
こんがり焼き上げ、冷めたらクリームチーズのフロストを塗り、好きなトッピングをして出来上がり。案外簡単に出来ました。
自分で作った3枚のPop Tartsは生地がホロホロして噛みやすく口溶けも早く、甘さもやはり感じます。中身を塩気のある物や甘く無い物でも作ってみましたが、タルト生地がどうしてもお菓子としか思えず……これを朝食で食べるとなると、ちょっと胃もたれしそうで朝からは食べられないのが本音でしょうか。
考え方をかえたらおやつ、デザート、としてコーヒーや紅茶にピッタリかも?手土産やおもてなしなどにも使えそうなので、「これアメリカのPop Tartsです〜作ってみました!」なんて言って渡したらちょっと面白いかもしれませんね。どっぷりとした甘さを楽しみたい人は、ヌテラ、ピーナッツバター、板チョコレートなどもおすすめです。ぜひ作ってみてくださいね。
【参考】 ※海外のサイトに遷移します
※1 Pop-Tarts The Whole Frostin’Truth
※2 Why Kellanova’s Pop-Tarts sales are going strong 60 years later
※3 Pop-Tarts FAQ