月商200万円の人気セラピストとして、新潟を拠点に活躍している「横顔美人専門家」の今川ちかさん。現在は時間とお金に余裕のある暮らしをされていますが、かつては激安エステサロンの経営者で、自転車操業の大変な生活を送っていたそうです。そこからどのようにして逆転できたのか。今川さんにお話しを伺いました。
◆皮膚のトラブルに悩まされて美容の世界へ
今川さんは、美しいEラインをつくる「横顔美人専門家」として新潟を拠点に活動しており、月の4分の1は東京に出張して施術を行っています。40歳で今のお仕事を初めてから3年、月商200万円を誇る人気セラピストとして活躍されていますが、その歩みは決して順風満帆でありませんでした。
「私が美容の仕事を始めたのは25歳のとき。生まれつき皮膚の病気があり、小さいころから皮膚のトラブルに悩まされてきたこともあって、化粧品を扱う会社に転職しました。肌の弱い私にも合う化粧品があればいいなって」
そんな今川さんに最初の転機が訪れたのは、30歳のときでした。
「美容部員やエステティシャンとして働いていましたが、30歳を機に独立したいと考えて、働きながらエステの専門学校に通いました。技術はありましたが、専門学校でちゃんと資格を取ったほうがいいと考えたんです」
◆30歳を機に独立して自分の店を持つも…
専門学校で資格を取得した今川さんは、都内のとある商店街でエステサロンをオープンさせます。
「ただ、当時は集客の方法がわからなくて……。ホットペッパーやグルーポンに登録して集客していましたが、近所にライバル店も多く、安くて脱毛とネイル以外ならなんでもできるをウリにするしかありませんでした」
当時の客単価は6000円程度。月商は50万円程度だったと今川さんは振り返ります。
「ただ、50万円ではアルバイトに払うお金が足りません。それで午前中は前の会社でアルバイトをして、午後は夜遅くまで自分の店で施術を行っていました。365日、ほとんど休みがない中で朝から晩までサロンに缶詰めで働いても、手元に残るお金はほんのわずか。当時は、時間にも心にも余裕がなかったですね(笑)」
◆自転車操業していた激安サロンを手放すことに
なんとか現状を好転させたいと考えた今川さんは、プライベートに使える時間やお金が少ない中でも、新たな技術を得るためにさまざまなセミナーに通います。そこで2度目の転機を迎えました。
「これまでの私は自己肯定感の低さから技術を安売りしていましたが、スクールを通してどんなことにも挑戦できるんだ、提供する技術に対してちゃんと対価を受け取っていいんだと知ることができました」
地元の新潟で暮らす母親の病気も、今川さんの決断を後押しすることに。
「当時はコロナ禍の真っただ中、このままでは母親に会えないと思って。後悔をしない生き方をしたかったので、約10年経営していた激安サロンを手放して新潟に移転することを決意し、インスタを使って宣伝を始めました」
◆美しいEラインをつくる施術が大成功!
こうして、40歳で地元にUターンした今川さん。美しいEラインをつくることに特化した施術料は60分で2万2000円。高単価ですが、オープンした月は20件の予約が入ったといいます。
「新潟の同じエリアで、小顔をウリにしているエステサロンの施術料は高くても1万円前後です。その店と比べるとうちの施術料は高いですが、私は施術で美容整形や歯列矯正レベルの結果を出していて、インスタでもビフォーアフターの写真を掲載していました。
美容整形や歯列矯正と比べれば、たしかに2万2000円の施術料も格安といえます。新潟に美容サロンや美容皮膚科は数件しかなこともあり、開店して3か月目には月商100万円を突破しました。現在は3年目になりますが、月商100万円を下回ったことはありません」
口元の歪みを直すことに特化した施術を提供することで、今川さんの元には全国から悩みを抱えた方が訪れているそう。出張費込みで3万3000円の東京での施術も人気を博しています。
「時間にもお金にも心にも余裕ができましたし、地元に戻れたことで母が亡くなるまで一緒に過ごすことができました。最後に母が希望した家をプレゼントできたのもよかったです。私のようにうまくいかないと悩んでいる方がいるかもしれせんが、ネガティブに考えるのではなくて、ポジティブに考えるのが大事。楽しいと思えることにチャレンジするのも重要だと思います!」
<取材・文/黒田知道>