【写真】『ナミビアの砂漠』など四作の演技で最優秀女優賞を受賞した河合優実
授賞式には最優秀男優賞を受賞した藤竜也、吉沢亮、最優秀作品賞を受賞した『夜明けのすべて』に出演する池松壮亮らも登壇した。
2009年にスタートしたTAMA映画賞は、前年10月から当年9月に一般劇場で公開される作品及び監督・キャスト・スタッフを対象に市民ボランティアからなる実行委員が選考。「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる<いきのいい>作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰する。
最優秀女優賞を受賞し、喜びを語った河合は「こういう場がすごく神聖な場所だと信じて言及したいことがある」と前置きし、「私が感謝したい人の中に、もうこの世界にいない人がいて。その人のお陰で作れた映画が一つありました。本当はいただいたトロフィーを見せに会いに行って『ありがとう』と伝えたいんですけど、この場を借りて伝えさせてもらいたいと思います。本当にありがとうございました」とコメント。続けて2024年を「自分の心に残っていくような、特別なものづくりの場に立ち会えたことがすごく多かった」と振り返り、「うれしいなと思っています」と微笑んだ。
また、河合の主演作『ナミビアの砂漠』を手掛けた山中瑶子監督は、6年前の出来事を回顧。当時、女優になる前の河合が山中監督に手紙を送ったことが本作を撮るきっかけになったそうで、山中監督はその頃の河合の印象を「勝ち気な目をした女の子だなと思って。高校生の時の特有の万能感というか無双感というか。懐かしいじゃないけど、3年前くらいの自分みたいで、とても印象に残っていました」と語った。
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同じく最優秀女優賞を受賞した上白石は、PMS(月経前症候群)を抱える女性・藤沢さんを演じた出演作『夜明けのすべて』を振り返り、「私も生理が重くて、生理前はかなり心身が不安定になるんです」と告白。「藤沢さんほどではないんですが、この辛さも何かの役に立つんだなと思いました」と話し、「自分の心身を観察して、藤沢さんへの共感と理解を深めたいなと思いました」と撮影を思い返した。
さらに2024年を「ありがたいことにたくさんの挑戦をさせていただいて、その度に壁にぶつかって、自己嫌悪と周りへの嫉妬に苛まれ続けた私ではありましたが、その度に周りの方々が背中で示してくださったり、相談に乗ってくださったり、優しさをポンと出してくださったり、本当にたくさん支えていただいた一年だったなと思います」と総括。「どんなお仕事でも、仕事をしていなくても、そういう負の感情は一生つきものだと思うんですが、その度に周りを見渡して、感謝しながらこれからも頑張っていきたいなと思います」と気持ちを新たにしていた。
その他の受賞者および作品は以下の通り。
【第16回TAMA映画賞】
◆最優秀作品賞
『夜明けのすべて』:三宅唱監督及びスタッフ・キャスト一同
『ぼくのお日さま』:奥山大史監督及びスタッフ・キャスト一同
◆特別賞
呉美保監督及びスタッフ・キャスト一同(『ぼくが生きてる、ふたつの世界』)
押山清高監督及びスタッフ・キャスト一同(『ルックバック』)
◆最優秀男優賞
藤竜也:『大いなる不在』
吉沢亮:『ぼくが生きてる、ふたつの世界』『キングダム 大将軍の帰還』『かぞく』
◆最優秀女優賞
上白石萌音:『夜明けのすべて』
河合優実:『ナミビアの砂漠』『あんのこと』『ルックバック』『四月になれば彼女は』
◆最優秀新進監督賞
近浦啓監督:『大いなる不在』
山中瑶子監督:『ナミビアの砂漠』
◆最優秀新進男優賞
松村北斗:『夜明けのすべて』『ディアファミリー』『キリエのうた』
齋藤潤:『カラオケ行こ!』『瞼の転校生』『からかい上手の高木さん』『正欲』
◆最優秀新進女優賞
森田想:『辰巳』『朽ちないサクラ』『サユリ』『NN4444』『愚鈍の微笑み』『正欲』
早瀬憩:『異国日記』『あのコはだぁれ?』
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