食物繊維が豊富で、腸に良い影響を与えるイメージが強いサツマイモ。
実は、食べ方次第では腸が疲れる原因になっている可能性があります。
管理栄養士の筆者が、避けるべきサツマイモの食べ方と、改善策をご紹介します。
■サツマイモが腸活に役立つ理由
サツマイモには、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の両方が含まれています。
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水溶性食物繊維は腸内でゲル状になり、便を柔らかくすることで排便をスムーズにします。
また、腸内の善玉菌のエサになり、腸内細菌のバランスを整える働きもあるのだそう。
一方、不溶性食物繊維は、腸内を刺激して腸のぜん動運動を促すことで便通を改善し、腸内環境を整えてくれます。
2種類の食物繊維が豊富に含まれているサツマイモを食事に取り入れることで、高い腸活サポートが得られるでしょう。
特にお通じに悩みがある人は、意識してサツマイモを取り入れてみてください。
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■腸活サポートを最大限に!サツマイモを食べるときに注意したいこと
(1)油や脂質が多い食品と組み合わせるのはNG
脂質は、ほかの栄養成分と比べて消化にかかる時間が長く、消化器官に対して負担がかかるといわれています。
そのため、せっかく腸活サポートに役立つサツマイモでも、油で揚げたり生クリームなど脂質が多い食品と一緒に食べたりすると、腸に負担がかかってしまう可能性があります。
大学芋やサツマイモの天ぷら、生クリームを使ったサツマイモのスイーツを食べるときは注意が必要です。
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油や脂質を減らすレシピで
大学芋は、揚げずに少量の油で炒め焼きにして、オリゴ糖(はちみつで代用可)・しょうゆで味付けすればヘルシーに美味しくいただけます。
揚げ物にする場合も、なるべく少量の油で揚げ焼きのように調理するのがおすすめです。
また、甘いサツマイモのスイーツと相性が良い生クリームは、水切りヨーグルトと砂糖(オリゴ糖で代用可)を使えば濃厚なクリーム風に仕上がるため、ぜひ試してみてください。
腹持ちが良く満腹感も得やすいですが、罪悪感を感じることなく食べられますよ。
(2)皮なしで食べるのはもったいない
サツマイモの食物繊維は、特に皮の部分に多く含まれています。
そのため、サツマイモの腸活サポートを最大限に得るためには、皮なしで食べるのはもったいないといえます。
皮つきで、さらに冷やせばパワーアップ
調理するときや、焼き芋にして食べるときにも、皮付きで食べるようにしましょう。
また、焼き芋にして食べる場合は、温かい状態で食べるのも美味しいですが、実は温かい状態から冷やした状態にしたものを食べると、より腸活サポートが得られます。
これは、冷やすことで「レジスタントスターチ」という成分を取り入れられるからです。
レジスタントスターチは、難消化性デンプンとも呼ばれ、分解・吸収されにくいデンプンのことをいいます。
レジスタントスターチは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方の性質を兼ね備えており、高い腸活サポートが得られると考えられています。
サツマイモにはデンプンが含まれていますが、加熱した後にゆっくり冷やすことでレジスタントスターチに変化するのだそう。
そのため、「冷やし焼き芋」をはじめ、「サツマイモのポテトサラダ」や「サツマイモの冷製スープ」などのレシピでいただきましょう。
(3)一度に大量に食べたらダメ
腸活サポートに役立つからといって、一度に大量に食べるのはNGです。
サツマイモに含まれる豊富な食物繊維によって便のカサが増えても、スムーズに排泄できなければ便秘が悪化したりお腹が張ったりする場合があるからです。
また、サツマイモには糖質も多く含まれるため、大量に食べると血糖値が上がって太るリスクも高まります。
どれだけ健康にいい食べ物でも、食べ過ぎはかえって健康を損ねる可能性があるため、適量を食べるようにしましょう。
一度に一品、飲み物と一緒に
1食につきサツマイモを使った料理は一品程度食べるようにしたり、食べ過ぎを防ぐために飲み物を飲みながら食べるなどしましょう。
腸活サポートが頼もしいサツマイモ。せっかく食べるのであれば、腸活サポートを最大限に得られる食べ方をしたいものですね。ご紹介した食べ方に注意を払いながら、美味しく&効果的にサツマイモを食べてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)