DuoStim法の有用性
11月27日、中国の研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、DuoStim法(月経1周期2回採卵)は、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)を実施する場合、卵母細胞や胚の数を増やすうえで大きなメリットがあるとの見解を示した。
ただし、妊娠率や出生率を大幅に改善する効果は認められなかったという。
従来の卵巣刺激法とDuoStim法による違い
近年、不妊治療において、DuoStim法は、従来の卵巣刺激の代替治療として提案されている。なお、従来の卵巣刺激法では1周期1回の採卵となり、月経周期の初期に卵巣刺激を行って卵子を採取する。一方、Duostimでは1周期に2回採卵する。月経周期を通じて卵巣に2回刺激を与え、卵子を2回採取する。
そこで今回、研究チームは、医学文献データベース「PubMed」「Cochrane Library」「EMBASE」を用いて、女性不妊患者414人を対象にランダム化比較試験を行い、DuoStim法の有用性について検証した。
従来の卵巣刺激法とDuoStim法を比較したところ、DuoStim法による卵母細胞の総数は、従来の卵巣刺激法より有意に増加した。一方、MII卵母細胞数、総胚数、妊娠率、出生率において統計的な有意差は確認されなかった。
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あわせて、DuoStim法では、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)を実施した場合に効果が大きく、正倍数性胚盤胞を得るまでの時間が大幅に短縮されたという。
これより、DuoStim法は、従来の卵巣刺激と比べて卵母細胞の総数、MII卵母細胞数、胚の総数において顕著な改善効果があるといえる。ただし、妊娠率、出生率を大幅に改善するわけではない。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)
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