4日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比16.48ポイント(0.08%)高の19762.80ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も26.76ポイント(0.38%)高の7098.89ポイントと4日続伸した。売買代金は629億8490万香港ドルとなっている(3日前場は652億850万香港ドル)。
中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。外電は3日に消息筋情報として、翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、来週11日から2日間の日程で開催される見通し――と報じた。金融・財政政策を強めるとの期待が根強く、会議の後、預金準備率が引き下げられるとの観測も広がっている。資源相場の上昇もプラス。昨夜の商品相場は、NY史上でWTI原油先物が2.7%高と続伸し、ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み上昇した。関連銘柄にとっての追い風となっている。
ただ、上値は限定的。米中対立の激化や、米金利高が懸念されている。中国商務部は3日、ガリウムやゲルマニウム、アンチモンなど半導体材料となるデュアルユース(軍事と民生の両用)に関連する物資の米向け輸出規制を強化すると発表した。バイデン米政権が2日、新たな対中半導体規制を発表したことに対する対抗措置とみられる。昨夜の米債券市場では、堅調な米雇用指標を受け、米10年債利回りが上昇した。金利の先高観が意識される中、金融政策で米国に追随する香港でも金利の上昇が警戒されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、アルミ産業の中国宏橋集団(1378/HK)が3.4%高、旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)が3.4%高、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が3.2%高と上げが目立った。
セクター別では、石油・石炭などエネルギー関連が高い。ペトロチャイナのほか、中国海洋石油(883/HK)が2.9%、中国石油化工(386/HK)が1.9%、中国中煤能源(1898/HK)が4.3%、中国神華能源(1088/HK)が2.9%ずつ上昇した。
半導体やAI(人工知能)関連の銘柄もしっかり。晶門半導体(2878/HK)が3.2%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.7%高、青島創新奇智科技集団(2121/HK)が8.0%高、北京第四範式智能技術(6682/HK)が5.7%高で前場取引を終えた。需要増の思惑が浮上している。中国の通信や自動車、半導体など主要産業の業界団体は3日、米国の半導体は安全ではないとして、中国製品の購入を促す声明を出した。
半面、香港不動産セクターはさえない。九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.3%、恒隆地産(101/HK)が1.8%、新世界発展(17/HK)が1.7%、恒基兆業地産(12/HK)が1.4%ずつ下落した。
一方、本土マーケットは4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.07%安の3376.41ポイントで前場取引を終了した。不動産株が安い。医薬株、インフラ関連株、消費関連株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。半導体株、公益株、銀行株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)