皆さんの住む地域では、家庭ゴミの収集はどの時間帯に行われていますか? 多くの自治体は朝からお昼にかけての“午前中”が主流のようですが、福岡市など一部の地方都市では、全国でも珍しく日没から夜12時までにゴミを出すようにと指定されています。つまりゴミの収集時間が“夜間”なのです。そこで今回ママスタセレクトでは「福岡市で行われている夜間のゴミ収集をどう思いますか?」というアンケートを実施しました。選択肢には「賛成。自分の地域も夜間収集の方が良い」「反対。自分の地域は朝収集の方が良い」「その他」の3つを設定。1,200人近くのママたちが意見を寄せてくれました。
参考:環境省ホームページ|自治体関係者のためのカラス対策マニュアル|b)ごみ収集の時間|P.61-62
夜間のゴミ収集。“賛成派”は6割強に
アンケートの結果によると「自分の地域も夜間収集の方が良い」と答えた“賛成派”が 64.3%ともっとも多い結果に。そこには大きくわけて3つの理由があげられます。
1:時間的な余裕がもてる
『朝の忙しいときにバタバタしなくて済むから』
『うちの地域は朝8時に回収に来るから、早く起きてゴミを出さないといけない……』朝は起きてから家を出るまでバタバタとしている、というママも少なくないでしょう。そんな時間帯にゴミ出しが加わると、忙しさに拍車がかかります。せめてゴミ出しだけでも夜だったら……と願うママたちの心の声が聞こえてきそうです。
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2:カラスなどの動物による被害が少ない
『朝だとカラスに荒らされるから大変』動物の行動時間、特にカラスの活動時間である日中にゴミを出しておくと、荒らされる心配があります。動物が散らかしたゴミが道路に散乱していると不衛生なだけでなく、通行人の迷惑にもなりますね。
3:通行の妨げにならない
『朝は収集車が道路の片側にとまっていたり、路駐してる車があって収集車が通れないと交通渋滞になるから』
『家の周りは細い道路が多いので、ゴミ収集車がとまっていると通れない』ゴミ収集車の多くは大型の車両であることが多いため、路肩にとまっても交通渋滞を生み出してしまうことがあるようです。
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約2割が夜間収集“反対派”に
一方で自分の地域は「朝収集の方が良い」と答えたママは22.3%にとどまりました。その理由は2つあります。
1:夜間だとゴミ収集車の音が気になる
『夜中の回収はうるさいのでは?』
『夜間だとゴミ収集車の音が気になって、子どもが興奮してしまう』夜間収集の際にどれほどの音が出されるのか、それが自宅内にいても聞こえる程度であるのかについては検証が必要かもしれません。
2:収集員の負担が増える
『夜間だと収集する人が大変だと思う』
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『人手不足のご時世に夜間に働く人はなかなかいないのでは?』「旦那がゴミ収集員なので、夜勤になっては困る」という率直な声も聞かれました。夜間に働ける人の人員確保は大きな課題になりそうです。
その他は1割強
その他を選択したママは13.4%。そこにはさまざまなアイデアが寄せられます。
『仕事のシフト上、ゴミの量が変わるので朝と晩の2回、収集してもらえると助かる』
『一軒一軒をまわって回収してくれる方がありがたい!』ほかにも「朝収集の日と夜収集の日を曜日で分けたらどんな生活スタイルの家庭も助かるのでは?」といった意見もありました。時間帯や曜日、また個別収集など、住民の事情にあったゴミ収集が可能であればありがたい、ということでしょう。なかなか実現は難しいかもしれませんが……。
夜間のゴミ収集。メリット・デメリットとは
アンケートでは多くのママたちが夜間収集を支持しましたが、コメントからはメリット・デメリットの両方がうかがえます。
<メリット>
1:都市生活におけるライフスタイルの多様化
現代では働く人々のライフスタイルは多様化しています。特に夜間に活動する人が多い都市部では、夜にゴミを出せる仕組みが生活リズムに合うと感じる人が増えているのかもしれません。「朝の忙しさ」や「ゴミ出しのための早起き」を回避したいという声がその象徴といえそうです。
2:動物被害の防止と環境衛生の向上
カラスなどの動物によるゴミ荒らしを懸念する声も多く聞かれました。夜間収集が実施されることで、カラスによるゴミ荒らしの被害が減り、地域の美化や環境衛生の向上が期待できるのではないでしょうか。
3:交通渋滞の回避と防犯効果
朝の通勤・通学ラッシュを避け、交通量が少ない夜間にゴミ収集をすることは、事故防止の面でも評価されそうです。また「人通りが少なくなる夜間に収集車が走ることで地域の防犯にもなる」といった意見もあり、ゴミ収集の夜間化が地域の安全に一役買うことも期待できるかもしれません。
<デメリット&対策>
夜間収集を支持する人が多いとはいえ、メリットばかりではなさそうです。反対派の意見からデメリットも浮かび上がります。
1:騒音対策や車両の改善
騒音が気になる、という声は少なくありませんでした。作業の静音化や低騒音型のゴミ収集車の導入などの工夫があってもよさそうです。また、ゴミ収集車の走行ルートや時間帯を工夫することで、住宅地での騒音は解決できるかもしれません。
2:収集員の労働環境の改善と効率化
夜間勤務をすることになる収集員たちの負担を心配する声も多くあげられました。夜間収集を導入する際には、収集回数や人員配置の見直しが必要になってくるでしょう。作業員の負担軽減をはかることも課題かもしれません。
夜間のゴミ収集への期待と課題
夜間収集への賛成意見が多数を占めた今回の結果をみると、今後も福岡市などで行われている夜間収集は支持を集めるだろうと予想できます。しかし同時に反対意見でみられた課題をどう解決していくかも重要になるでしょう。今後、他の自治体でゴミの夜間収集を導入する際には、夜間収集のメリット・デメリット両方の検証が必要になりそうです。
【アンケート概要】
総回答数:1,189票
調査方法:インターネット
調査月:2024年11月
調査・分析:ママスタセレクト編集部
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文・編集部