同和地区の地名リストをウェブサイトで公表したのは人格権の侵害だとして、部落解放同盟や同和地区出身者らが、出版社「示現舎」(川崎市)側にサイトからの削除などを求めた訴訟について、最高裁第3小法廷(平木正洋裁判長)は6日までに、双方の上告を退ける決定をした。4日付。5人の裁判官全員一致の意見で、大半の原告の出身地名を削除するよう命じた二審東京高裁判決が確定した。
一、二審判決によると、示現舎は2016年、全国の同和地区の地名についてまとめられた戦前の資料「全国部落調査」の復刻版を出版すると発表。関連サイトに地名リストを公表した。
一審東京地裁は21年9月、リスト公開に公益目的はなく、「プライバシーを違法に侵害する」と判断。25都府県の地名リストを出版差し止めや削除の対象とした。
控訴審で東京高裁は23年6月、示現舎側による人格権の侵害を認定。一審判決を変更し、差し止めや削除の対象を31都府県に拡大するなどした判決を言い渡した。