柔道のグランドスラム(GS)東京大会(7日から東京体育館)に、パリ五輪73キロ級の銅メダリスト橋本壮市(33=パーク24)が出場する。浜松市出身。「集大成」と全てを懸けた五輪後、引退も考えたが「日本で唯一の国際大会。お世話になった方々、サポートしてくれた身近な皆さんへの恩返しとして、試合を見てもらう絶好の舞台なのかな」と出場を決断した。10月から稽古を再開し「ギリギリ間に合わせた感じ。楽しみ」と心待ちにしている。
市立富塚小2年の時、中央区の道場「育誠館」で道着に袖を通し、パリでも決めた橋本スペシャル(変形の片手袖釣り込み腰)の原型を磨いた。中学から神奈川・東海大相模へ越境留学したが「地元の応援が、すごく力になった」と静岡人魂と感謝を忘れない。日本柔道史上最年長の32歳11カ月6日で五輪出場を果たした男の原点は本県にある。
休養中の9月には、浜松市役所に中野祐介市長を表敬訪問。混合団体の銀メダルとともに2つを首にかけた自身に「みんなで涙」の言葉と、万雷の拍手が送られ、スポーツ特別賞も贈られた。海を越えた後押しを実感しただけに「直接、柔道する姿を見ていただいて御礼がしたかった。年齢的にも先のことは考えていない。今大会で自分の持てる力を出し切るだけ」とGS東京での完全燃焼を誓う。
同じ9月には第2子の長男が誕生。「ホント、大変っす」と笑いながら「パパの格好いい姿も見せたい」と闘志がほとばしる要素しかない。「ありがとう」を畳から届ける。【木下淳】
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