限定公開( 1 )
リアルすぎるレストランのジオラマを製作する過程を詳細に収めた動画がYouTubeに投稿されました。ディテールの作り込みが反響を呼び、34万回以上の再生、1万3000件を超える“いいね”を集めています。
●米有名チェーン「ワッフルハウス」店舗を再現
動画を投稿したのは、模型製作者・カーソンさんのYouTubeチャンネル「Smol World Workshop」。今回は、アメリカのポピュラーなレストランチェーン、「ワッフルハウス」店舗の1/24スケールジオラマを作成します。
最初に、CADで建物を設計して立面図を印刷し、その図面に合わせてプラスチックをカット。窓枠の形になるよう接着していきます。壁には発泡ボードを使用し、そのボードに外壁として、レンガ壁の色と形にエンボス加工されたプラスチックシートを貼り付けます。
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看板部分になる板も発泡ボードで作り、店舗の外壁上部に固定します。カーソンさんによると、この作業はかなり緊張したのだそうです。
●再現度を求め塗装にこだわり
看板以外をマスキングテープなどでおおったら、看板の塗装に入ります。発色の状態にはなかなか納得できませんでしたが、最終的に自分でブレンドした色をスプレーして仕上げました。ワッフルハウスの看板らしく、くすんだ黄色を再現しています。
次に、れんが部分の塗装を行います。既にれんがには色が付いていますが、もっと深い色をスプレーします。さらに、エンボス加工によるれんがの隙間部分にはパテを指で広げてそこを埋め、ペーパータオルで余分なパテを拭き取ります。
次は窓枠の塗装です。グレーとシルバー、青白いメッキ色などのスプレーを順に噴霧していくと落ち着いた色合いのアルミ窓枠のようになりました。
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さらに、看板のロゴとして3Dプリンターで「WAFFLE HOUSE」の文字を出力して塗装し、看板ボードに接着しました。これで店舗の外観はほぼ完成です。
●店舗周辺の歩道や駐車場もリアルに造形
発泡ボードで店舗周囲の歩道も作ります。砂利で適度に傷を付け塗装を施すと、コンクリートの歩道のようになりました。
歩道の前にある駐車場は、乾燥するとひび割れができるペーストを塗り広げ、その上に細かい砂の混じったペーストを塗布。何層かの塗装を行った後で軽くサンドペーパーをかけると、アスファルトの舗装が少し風化したような質感になりました。めっちゃリアルだ……!
駐車場にはマーキングも施します。塗らない部分をマスキングテープでおおい、スプレーで描きます。さらに、障がい者用の駐車スペースと車イス用のスロープ、点字ブロックなども作っていきます。
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駐車場周囲には実際の土を接着。それが乾燥したら、さらに接着剤を塗布し、ジオラマで草を表現するパウダー状素材を静電気で立たせて散布すると、見事な芝生ができました。
●ディテールにこだわった完成品は……!
店舗と周囲の外観が完成したところで店内の作成に移ります。イスやテーブル、ワッフルメーカー、ワッフルそのもの、ケチャップやマスタードのボトルなどを3Dプリントで出力して塗装。一部のパーツは手作業で作成します。
さらに、ミニチュアのメニュー、ドア周辺に貼り付けてある各種ステッカー、適度な汚し塗装を加えたタイル風シートを作成し、窓ガラスに該当する透明なシート、各所のドアなども設置していきます。
キッチンは発泡ボードを組み合わせて製作。メタリックに塗装し、調理器具、皿、木製カウンタートップなどをセットしたらキッチンの完成です。分かる人には分かる、ワッフルハウスのキッチンそのものです。
店内が完成したら、実際に点灯できる照明をセットした天井をかぶせ、さらに、発泡ボードの屋根を設置。看板を照らす照明、屋上のエアコン室外機、排気管、屋上に登るハシゴなどディテールもしっかり作り込み、最後に店舗周囲の植え込みを設置したら完成です。駐車場には2台の車のミニチュアも置きました。
野外で実際の風景と合わせて撮影すると、実在の店舗と区別がつかないほどリアルなでき映えだと分かります。
●「異常なほどのリアリズム」「圧倒されました」
これまでで最も製作に時間を要したという力作には、「他に類を見ないディテールのレベル」「細部の美しさにすっかり圧倒されました」「数年前にそこ(ワッフルハウス)で働いてましたが、完璧ですね」「これは異常なほどのリアリズムだ」「これを見て、子どもの頃に祖父母と一緒にワッフルハウスで食事をしたのが懐かしくなりました」などの反応が寄せられています。
「Smol World Workshop」ではこの他にも、カーソンさんによる精巧なジオラマの製作動画を多数紹介しています。
※画像はYouTubeチャンネル「Smol World Workshop」より引用
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