テレビアニメ『プリキュア』の第21作目となる新シリーズ『わんだふるぷりきゅあ!』第44話「たくさんの幸せ」が8日、ABCテレビ・テレビ朝日系で放送された。ペットの寿命という“死”を描き、Xでは関連ワード「ペットの死」「寿命問題」がトレンド入りするなど、大きな反響となっている。
【画像】飼い犬が死ぬ…見守るいろは達 公開された『わんぷり』場面カット 第44話は、ある日の朝、いつものようにこむぎ(声:長縄まりあ)といろは(声:種崎敦美)が登校しようとすると、飼い犬のフクといっしょに散歩をするお鶴に出会う。もうすぐ18歳になるフクはもうずいぶんとおばあちゃんで、カートに乗っていた。
小さい頃にいっしょに遊んでいたことを思い出したいろはは、フクの誕生日をお祝いしようと思い立ち、ユキ(声:松田颯水)やまゆ(声:上田麗奈)、悟も手伝いをしてくれることになった。
放課後、お鶴の家に集合したこむぎたちは、先に来ていたお鹿、お亀と飾り付けの準備を進める。その最中、いろはは一枚の写真に目を留める。それは、フクとは別の犬と写る、若い頃のお鶴の写真だった。
写真に写っているのは「鈴」という、かつてのお鶴の飼い犬で、お鶴が高校生の頃に亡くなった。それ以来、もう悲しい思いをしたくないと思い、動物と暮らしてこなかったお鶴が、18年前に出会ったのがフクだった。そして、誕生日をお祝いされるフクだったが、寿命を迎えてしまい、最後のお別れをお鶴とし、それを見守るいろはたちの姿が描かれた。
ペットの寿命についても本編で言及し、小型犬の18歳は人間でいうと80歳を超えると説明。ペットの寿命という必ず訪れる出来事に正面から描き、フクを助けようとニコ様にお願いするいろはだったが、ニコ様も「いろは、あなたもわかっているはずだよ」と生物すべてに訪れる“死”を受け止めるよう理解を求めた。
ネット上では、死を取り上げたストーリーに「ペットの死」「寿命問題」がXでトレンド入り。「フクちゃんとお鶴さん まさかニチアサで「寿命の話」「ペットの死」の永遠のテーマな展開をやるとは…… 次回予告でいろはちゃんが今回の件を引きずっていたみたいなので、次回のトラメ回でメンタル回復を」「ペットの死をほぼ包み隠さず、ストレートに描いてきたら、いろはちゃんみたいな当事者じゃなくてもこんな顔になるわ」。
「つらいけど、ちゃんとペットの死を誤魔化さないで描いて良かった」「ニチアサとしては重すぎるけど、ペットの死も人間の死も避けられないものだから、真正面から描いてくれて良かった。命は有限だからこそ尊いものだと教えてくれる。命が尽きても思い出は残り続けるんだよな…」「ニコガーデン冥界説も現実を帯びてきましたね」。
「ペットの死を扱うのはこういうストーリーならやっぱり必要よな」「正直こむぎの翻訳とニコ様の力はチートではあるし実際こんなことありえないよ!って言ったらそれまでなんだけど、このふたつはわんぷりにおいてペットの死を描くのなら必要なことなのよね…」などと反応。ペットの死というテーマをストレートに描いた物語を評価する声があがっている。
今作の『わんだふるぷりきゅあ!』の設定テーマについて、多田香奈子プロデューサー(ABCアニメーション)は、アニメ放送時に以下のようにコメントを出している。
■多田香奈子プロデューサー(ABCアニメーション)コメント
犬や猫、ウサギ、鳥… 様々な動物を我が家へお迎えをすることが一般的になっている今、かくいう私も、犬は大切なパートナーです。私達に大きな愛情を注いでくれる、かけがえのない動物達…。言葉は通じないけれど、動物と飼い主の間には言葉にできないほどの絆があるのではないでしょうか。
今回のプリキュアでは、主人公の犬・こむぎが人間の姿に変化し、人間の言葉で飼い主であるいろはと会話をします。そしてお互いの想いを伝えあい、より絆を深めていきます。
しかし、現実世界では、動物と人間は言葉を交わし合うことはできません。本作で語られるこむぎのセリフは、どこまでいっても想像の域を超えません。「犬はきっとこんなことを考えている」 これは人間のエゴなのかもと不安になることもあります。
でも、言葉を交わせないからこそ、私達は動物の気持ちをとことんまで考える必要があるのではないでしょうか。大事なのは、相手のことを知ろうと努力すること。その先に、相手の幸せを願う「思いやり」が生まれるのだと思います。そして何より大事なのは、気持ちを押し付けず、理解し合うことです。
今回は動物と人間のお話ですが、それは人間同士でも同じこと。ありふれた標語ではありますが、いま一度、「相手を思いやる気持ちの大切さ」を皆様に感じていただけたら嬉しいです。地球上のみんなが「みんな なかよし!わんだふる〜!」な日々になりますように。